「かけがえのないニコラス・スパークス・ラブストーリー」かけがえのない人 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
かけがえのないニコラス・スパークス・ラブストーリー
“恋愛小説家”ニコラス・スパークスの作品の映画化。
純愛、悲劇、運命…本作もド定番だらけのTHEメロドラマ。
石油採掘現場で働くドーソンは爆発事故に遭うが、奇跡的に助かる。そんなドーソンの元にかつての恩人が亡くなったとの報せが届き、20年ぶりに帰郷。そこで、激しく愛し合った元恋人アマンダと再会する…。
現在と過去が交錯。代表人気作『きみに読む物語』と同じく、氏はこういうのがお好きなようで。
過去。
犯罪者一家の元に産まれた青年と良家の娘。
暴力で従わせるドーソンの父親。交際に反対するアマンダの父親。
恩人の支えもあって2人の愛は燃え尽きる事無かったが…、
ある悲劇。ドーソンはアマンダの将来を思い、身を引く。故郷を捨てる…。
現在。
再会して尚、アマンダを想い続けるドーソン。
アマンダは結婚しているが、家族関係がお決まりの淡白。
恩人の遺品整理をしている内に、再燃。
が、愛する人の家庭を壊せないドーソンは全て終わって故郷を去ろうとする。
そんな時、アマンダの家族に悲劇。息子が交通事故に遭い、早期心臓移植が必要な身に。
故郷を去ろうとしたドーソンを、父親たちが襲撃し…。
展開があるあるならば、オチもすぐ読める。『セイフ ヘイヴン』のように思わぬ要素の意外性は無いが、その分ストレートなラブロマンス。
目の制御装置は外しジェームズ・マースデンが素顔で魅せているが、当初のキャスティングは故ポール・ウォーカーだったとか。マースデンには悪いが、確かに役柄的にも合いそうで、アクション多いポールの珍しいラブストーリーをちと見てみたかった。
ミシェル・モナハンはとても魅力的。スパイの妻もいいが、ラブストーリーでも魅せる。
若いアマンダはキュート、若いドーソンは鍛え抜かれた半裸のセクシーサービス。
役者陣は各々魅力的だが、現在と過去、あんまり似てないような…。
序盤の爆発事故を生き延びたドーソンが一貫して言う。
物事には全て意味がある。
恩人の死も、アマンダとの再会も、この我が命も。
バッドエンドでハッピーエンド。
美しい物語ではあるが、美しく並び立てられたいつものニコラス・スパークス・ラブストーリー。
映画化作品は常に酷評されるも、それでも日本の少女コミック実写化同様一定のファンを魅了し、ある意味“かけがえのない”のかもしれない。