「震災20年後の神戸」劇場版 神戸在住 jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
震災20年後の神戸
原作の漫画は神戸の震災の3年後から連載が始まり、11年後の2006年に終了した。なので、だいたい震災から10年後までの神戸の姿がパックされている。ハーバーランドや元町の商店街など、学生時代によく出かけた神戸の、震災後の復興の様子がわかってよかった。一方、本作はさらに時間が進んで2015年の神戸が舞台だという。登場する女子学生たちはみんな震災後生まれという設定だ。そのせいか震災のエピソードはだいぶん薄味になってしまって、ストーリーは主人公と尊敬するイラストレータとの関係が軸になっている。
また、原作漫画では、サークルの部室でウダウダと無為に過ごしたりと、学生のグダグダした空気感が自分の学生時代に重なって見えて、そこが好きだったのだが、映画はその空気感が出てなかったように思う。
漫画の主人公は内気だけれど、自分の趣味趣向がはっきりしていてそこもまたよかったのだけど、映画の主人公はなんだかメソメソしているだけのように見えて残念だった。
ただ、2015年の神戸の風景を映画の中に残したのは大きな意味があると思う。
サニー・フランシスのベタなセリフと、芸達者な松尾貴史に免じて3点とします。
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