「Based on a True Story考察、って言ってみる」エベレスト 3D しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
Based on a True Story考察、って言ってみる
「ジョーズ3D」、、じゃなかった「13日の金曜日PART3 3D」、でもなかった
「エベレスト3D」
本作は、1996年のエベレスト大量遭難事件を基にした映画、とのこと。
Based on a True Story(笑)
・・・いや、(笑)は不要だが、どうしてもこの決め台詞を見ると、つけたくなる。
「アルゴ」(笑)
「ドミノ」(苦笑)
「エレファントマン」(失笑)
「ライトスタッフ」(笑・・・じゃなくって、襟を正せ!)
まあ、実に多彩である。だがなぜこうも多いのか。今回は、ほんのちょっとだけ、そのことについて考えてみた。
なぜ多いか?大体の見立てはこうだろう。
「感動的だから」
「小説よりも奇なり」
だが、一番の理由はこれだと思う。
「結末が分かるから」
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これってネタバレってことだよね。そう、俺たちは、実話=ネタバレ、って思うから、本来はテンションは下がるんだよね。観る側にとってマイナス要素のほうが大きいはずだ。
だけど、製作陣は違うんだよね。
「実話=企画、脚本段階で圧倒的に手間がかからない」
「実話=訳が分からない企画ではない≒安定した企画」
「プロデュース側にプレゼンしやすい」
「ゆえに実話=企画が通りやすい」
こんなところだろう。「安定した企画」って言うのがとってもキモなんだが、原作ものが多い現状とロジックはほとんど変わらないだろう。
だが、制約もある。
「当たり前だけど、ネタバレ」
「ものすごい嘘はつけない」
「遺族、関係者に気を遣う」
特にこれらは、映画の内容や作風に関わる。だけど、「Based on a True Story」をこれ見よがしに貼りつける理由がよくわからない。これを付けると何らかの組織からも金銭的援助があるのか、関係者との契約なのか、この辺はよくわからない。(ブログに上げるときには何とか調べあげたいね → 調べたら、自分で答えだしてたね。実話だから企画を通されたのだから、当たり前。そしてオレも自分がファンドするなら、やはり実話の映画化の案件だろうと思う)
だがその文字を見ることで、少なくともオレのテンションは圧倒的に下がる。だが、あまりに多いのと、そこまで社会的出来事にアンテナを立てていないので、(なんせ映画バカなので、はっはっは)
「まあ、「グローリー 明日への行進」みたいな作風じゃなければ、いいか」
というところを自分なりの落としどころとしている。
はい、本題
「エベレスト3D」
うーーん、本作は、どうも制約面が強く出ちゃったかな。
「主人公は〇〇のせいで死んだ」
この辺がちらつくね。
おまけにあり得ない角度の映像で、CG感満載のおかげで真摯感ダダ崩れ、それに加えてそうなのだから、自然の驚異とか、命の尊厳とか、そういう作品にも見えないんだよね。
追記
ジェイソン・クラーク、ジョッシュ・ブローリン好演。好演ゆえに、プロダクションノートやコメントにあるような山で頑張った、とか言わなきゃいいのに。あなたたちは、過酷な撮影環境でなくとも、ぐっとくる演技はできる。(これぞCGの功罪?)
追記2
ひげ面、防寒着、のそのそ歩き、吹雪、と登場人物認識を遮る要素満載だが、互いに名前を呼び合う(遭難話につきもの)ので、意外と誰がどういう行動をしているのかが分かる。
追記3
生き残り△△の救助のためのヘリコプターの着陸シーンが一番怖かった。
・・・ここ、褒めていいのか。