劇場公開日 2015年7月31日

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「スラップスティックとアホ可愛さの融合」ミニオンズ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5スラップスティックとアホ可愛さの融合

2015年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

萌える

『怪盗グルー』シリーズの、あのミニオン達が主役!という、この暴挙に近いスピンオフ作品。果たして物語として成立するのか?面白くなるのかよ?という不安がありまして(自分に限ってですが)。
この手の映画って本編からのおまけ的な要素が強かったりして、本来なら相当気合入れて脚本練らなきゃいけないものであって、でもそれが出来てるスピンオフ映画って割と少ないよなぁと感じてて(どれかとは申しませんけど)。だから公開しても、暫くはなんとなーく足が遠のいていたんですよ。『怪盗グルー』は好きなんですけどね。好きだからこそというか。でも、なにやらネットでの評判が余りにも良いのでね、うーん、じゃ、まあそれならば……と劇場へ行って参りました。

いや、うん。最高最高w最高でした。最高でしょう。蓋を開けてみたらば最高という。
「スラップスティックとアホ可愛さの融合」とでも表現すればいいんでしょうか。ミニオン単独(ミニオン自体はめっちゃ居ますけども)が、こう、テレビの短編アニメくらいなら成立するとは思ってましたけども、まっさかここまで映画としてハマりますかぁ、という驚きね。怪盗グルー不在でもここまでアホれるのか!という強烈な個性を発揮しまくっとります。
や、まあ元々個性的ではあったんですけどね。ただ、それって飽くまでもイロドリというか、グルーを映えさせる為の位置づけにミニオン達は存在してた訳じゃないですか。それがあのシリーズで彼らに与えられた役割でもあって。でも、もうその役割を飛び越えちゃってるんだなと。存在自体が。
ピン(ミニオン自体はめっちゃ居ますけども)でも全く問題なく彼らはハッちゃけられるんだなあ、という証明ですかね。ポテンシャルの塊だったんだ!と。

で、これ、『怪盗グルー』シリーズからのスピンオフ作品、という位置づけですけども、なんというか、怪盗グルーの三作目!もしくは『ミニオンズ』という映画の新シリーズ!と言い切ってしまっても差し支えないんじゃね?てぐらいに、なんて言うんでしょ。作り手のミニオンズに対する思い入れがハンパなく、そのテンションで以って本作に臨んでおろうなあ、とビンビン伝わってきまして。
要は、単なるスピンオフへしない為の設定をきっちりと練り込んでるなと。本当の単品を目指してるなと。時代をヒッピームーブメント真っ盛りの1968年に設定したり、何故か舞台をイギリスに持ってきたり、UKロックバンバン垂れ流したり、時代的に沿ったレトロフューチャーなガジェット出しまくりーの、良く分からない過剰なビートルズへのオマージュがあったりして。その上できっちり笑えるという。

つまりは最高なんですよ。そこまで練り込んでおいて終始ドタバタに徹する訳ですから。やあ楽しかった。『ミニオンズ2』も期待してますよ!

ロロ・トマシ