劇場公開日 2015年1月9日

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「Takenシリーズの品質を土壇場で保った作品。」96時間 レクイエム Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5Takenシリーズの品質を土壇場で保った作品。

2015年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

Takenシリーズに期待する父無双は健在。
敵対者は有無を言わさず鏖。
正義は我に有り…のはずなのに。
画面から滲み出る狂戦士感。異常執着感。
歳を喰い年輪が刻まれ神経質な感じがより出たリーアム・ニーソンが今回も体現しています。

話の構成も一工夫。
序盤から善悪が明確になる前2作に比べて。
本作では元妻殺害の新犯人を探す探偵モノ要素も追加。
前2作からの繋がりを仄かに醸し出すことで話の展開に深みが。
…結局は父無双で有無を言わさず解決する点は変わりませんが。

惜しむらくはシリーズお馴染みの電話予知芸。
振り返ればブライアン・ミルズの予知芸はTaken1が最高峰。
遠く離れた海外からの予知芸が非常に新鮮でした。
Taken2は新鮮度は落ちますが父から娘への逆電話というTaken1との対比が良かった。
で、第3弾の本作。
まず電話予知芸が無くなっている点に失望。
予知を踏まえた或る行動は出てくるものの前2作に遠く及ばず。
分かり易過ぎる前フリにもガッカリしました。

倫理的な部分もノイズに。
あまりにも関係無い人が巻き込まれ過ぎている。
派手なカーチェイス。
場面は派手で迫力ありますが派手な演出に伴い巻き込まれる周りの車・車・車。
直接的な表現は無いものの明らかに人死にが出る規模の事故が多発。
最早、主人公側が大義を持つ人間には見えず感情移入は困難に。
「黒い笑福亭鶴瓶」ことフォレスト・ウィテカーとの終盤の遣り取りは噴飯モノでした。

また細かい点ですが、終盤にCIAの元同僚達の顛末を描かない点も不誠実に感じました。
ブライアン・ミルズが仲間を大事にしない酷い人間に見えた点は残念でした。

Takenシリーズの品質を土壇場で保った本作。

事前の宣言通り本作でシリーズ完結するのが適切かと。
続ければ映画「ダイ・ハード ラスト・デイ」のような悲劇を生む気がします。

ブライアン・ミルズの最期の勇姿。無双振り。
シリーズを追っていた方は観る価値有りかと。
オススメです。

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Opportunity Cost