フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争のレビュー・感想・評価
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史上最強の“そっくり”戦争
フランスとアメリカを繋ぐ巨大麻薬取引ルート“フレンチ・コネクション”壊滅の為に闘った判事の実話に基づくフランスのサスペンス映画。
ピエール・ミシェル判事。
青少年担当であったが、その優秀さと強い正義感が見込まれ、重犯罪担当に抜擢。
マルセイユ警察やアメリカDEA協力の下、少年少女たちをも苦しめる麻薬組織撲滅を誓うのだが…、
相手は想像以上に手強い。地道な捜査を続けていくしかない。
そんな捜査を続け、繋がっていく内に、ある麻薬王の存在が浮き上がる。
フランスの“ゴッドファーザー”と言われるタニー・ザンパ。
逮捕すべき相手は定まったが、それはつまり、相手にもこちらの存在が気付かれたという事。
それでもミシェルは捜査にのめり込む。上司や家族の心配を振り切ってまで…。
そして遂に、ミシェルの身に危険が…。
そんなに派手な見せ場はある訳ではないが、その分じっくり見せる渋い作風。
スリリングでムードも充分で、確かに1970年代のフレンチ・ノワールにこういう作品があった。
往年のフレンチ・ノワール好きには堪らないだろう。
ジャン・デュジャルダンも熱演。
しかし、自分には困った事が。
ミシェル判事役のデュジャルダンとタニー役のジル・ルルーシュがそっくり過ぎて…。
タニーの麻薬取引シーン。あれ、ミシェル判事が潜入捜査してるの?…と思ったり、
ミシェル判事と家族のシーン。あれ、一応“ゴッドファーザー”だからタニーも家族を大事にしてるの?…と思ったり。
何となくその時の雰囲気でどっちがどっちか分からない事はないんだけど…、最初はこんがらがってしまった。
史上最強の“そっくり”戦争でもあった。
…と、バカなタイトルを付けてしまったが、作品はシリアスで見応えあります。
見せ方がいちいちうまい
内容は普通ですが、見せ方がいちいちうまい。
なので、ストーリーはこの際おいといて。
見せ方、ていうのが、とくに前半ですが、シーンの切り替えが早い。ダラッと見せられなくないシーンもたくさんあったと思うが、カットしまくり。たとえば、クラブの誕生日パーティーのシーンも乾杯ドンチャン騒ぎ開始でカット、次のシーンへ。みたいな感じで、編集が潔い。(実際はずっとまわしてそう)
まあまあのロケーションセッティングして撮ったと思われるシーンも、一瞬しか使ってなかったり。素材は使いたくなるものだが、カットしてる、その感じはうまいなあ、と思った。
全体の演技や演出もありがちなスタイリッシュを避けてるし、ギャング映画好きなら納得の出来では。
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