「制作側の思いが伝わる」プリデスティネーション ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
制作側の思いが伝わる
よくまとまった作品という印象。原作の短編は23ページ程度というから、原作のプロットを骨格にして情緒の部分を肉付けしていきながら映画的なアイテムを纏わせたというところか。
原作は未見だけど今作はかなり忠実に原作を拾いきっているということらしいので、あの宇宙飛行士向けのコールガール育成みたいなエピソードはさすがのハインラインだなと。あまり考えてないあたりが。だから現在で原作に忠実にその設定を描かれるとポカンとするよりないんだな。作ってる側にもその考えが無かったはずもないが、それをあえてやることに意義があるんだろう。だからこの作品はハインラインの古典のアレを映画にするぞ、ていうのが第一義であってそれに賛同できない人たちにはしょうもない作品になっているのかもしれない。とはいえそもそも気にならない人も多いだろう。でもやはり未来感がない設定だけに絵作りで頑張って観せてもらってもポカンとしてしまう。
ジョンのときのサラ・スヌークがジョディ・フォスターに見えて仕方なかったが同じ印象を持った人は少なくないようで。大変な役どころだっただけに印象に残る演技だったし、おかげで若干影が薄くなってしまったイーサンだけどもやはりこういうの向いてるなあと改めて思った。あまり掘り下げるべきでない作品だと思うが、作り手の誠実さが伝わってくるような出来だった。
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