「想像通り、忍耐ようする」もしも建物が話せたら SHさんの映画レビュー(感想・評価)
想像通り、忍耐ようする
素晴らしい建築、素晴らしい監督、まぁコンセプトも素晴らしいとしておこう、これだけ揃えば確実に高尚な作品が仕上がること間違いなし、ということで見て、まさにその通りだったのだが、恐らくかなりの忍耐力が必要だろうと思っていたのもその通りで、手放しで面白いというには抵抗を感じてしまう。
せっかく6つにオムニバスだというのに、みな似た内容だったことがまず惰性を感じてしまう。しかも内容があまりに哲学すぎて、ビジュアルをないがしろにしているようにも感じる。確かに映像は美しい、しかしそれはあくまで建築による恩恵大であり、映画にする意味やオムニバスにする意味などが希薄であるが故に惰性で映像を見せられている感覚に陥ってしまう。
ロバート・レッドフォード以外は擬人化していたが、みんな不動の偉人が偉ぶっているということで印象。レッドフォードのもただ誇っているだけだったし─。
もうわしゃー老いぼれで…とか、やめろー破壊するなーとか、役立たずですみません、など負の話も盛り込まれてしかるべきだと思うのだが、それは行き過ぎた意見かもしれない。
だが、もっと面白くしようとして欲しかった。ただそれだけ。気持ちよく眠らせることが意図ではないだろうに、あれでは眠る人も少なくないだろう。
芸術的価値は非常に高いけれども、決して面白くはない。学びにつもりで見るべきもの。
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