「恋愛は喜劇か悲劇か。」ピース オブ ケイク ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛は喜劇か悲劇か。
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原作を先行して読んでたので、「多部ちゃんに志乃のイメージはないなあ、どっちかというとやっぱ爽子ちゃん(君に届け)がしっくりきてしまうなあ」と違和感と共に観ていたけど、最後のほうにはしっくりきていた。役者さんてすごい。
ヒゲの綾野剛はすてき。こんな30歳男子いたら私も惚れるわ。彼の扮する京ちゃんはもーほんっとダメなんだけどダメさが良い。
でもチバさん(峯田さんキター(゚∀゚)ー!!)が一番かわいいかもしれない。良い味出してた。
基本的に主要人物はずるくてダメな大人たち。でもわかってしまうのは私もそうだからなのだろう。
''幸せになれば幸せになるほど怖くなって、不幸の準備をしてしまう。''
''話すべき話の不在をおしゃべりで埋めて。でも隙間から毒が漏れだすのね。''
原作で私が好きだった言葉も入っていた。映画は劇中での舞台の台詞として入れ込んだ演出が上手い。
温泉シーンはヒリヒリした。目の前にあるかもしれない爆弾を私たちは布で覆いかくして見えないふりをする。それさえ目にしなければ私たちはこのままでいられる(わけがないのにそう思おうとする)。そんな、ヒリヒリ感。
恋とか愛とかいうものは果たして悲劇なのか、喜劇なのか。そんな紙一重具合がこの映画は上手かったと感じた(男湯での修羅場、ラストの言い争いはシリアスに見れば良いのか笑ってしまうべきか絶妙)。
あとは劇中歌が良かった(さすが峯田さん)。ていうか劇伴は大友克英さんだったのか!
見終わってみると、思いの外良かった作品。
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