の・ようなもの のようなもののレビュー・感想・評価
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人生はいつでも成長期
続編とは露知らず、軽い気持ちで手にとって観たがなかなかに味わい深い作品だった。 前作「の・ようなもの」を観ていなくても置いてけぼりをくらうことなくちゃんと話についていける。 確かに前作を観ていればもっと楽しめる部分もあるのだろう。「道中づけ」とかね。 落語に詳しくなくても全然大丈夫だが、知っていたら楽しめる部分は広がるんだろうな、とは思う。「落語映画 のようなもの」だ。 主人公・志ん田は落語家の道を志すものの「国語の教科書を読んでいるか」のようなもので、ヒロイン・夕美もお嬢様とは言い難い「マドンナ」のようなもの。 所在のわからない志ん魚に至っては高座を聞いたこともなければ一緒に稽古したこともない「先輩」のようなものである。 誰も彼もが不器用で、中途半端で、迷いに迷った「のようなもの」。 何も大それた話なんかじゃない。「志ん魚ちゃんの落語が聞きたいわ」というささやか過ぎる望みでさえ、大層に受け止めてしまう。それくらい迷える人生で、愛さずにはいられない哀愁と魅力に満ちている。 小市民的な悲喜こもごもは落語に通じるところもあり、大山鳴動して鼠一匹という故事がピッタリくる話の流れもまた落語そのもの。 「色々あったけど、まぁ良かった、良かった!」という締めも落語という大衆娯楽の持ち味だ。 すごく落語とオーバーラップする仕上げに一役買っているのは、師匠・志ん米を演じている尾藤イサオさんの喋りが、まんま落語に出てくる「ご隠居」みたいだからかもしれない。 大笑いするようなコメディではないが、「ホントにお前さんはしょうがないねえ」と忍び笑いがもれてしまう。「和」の心にあふれる魅力的な映画だ。
作品冥利に尽きる…のようなもの
森田芳光監督のデビュー作の続編…のようなもの。 …ではなく、35年後を描いたれっきとした続編。 師匠の家で住み込み修行中の冴えない若手落語家、志ん田。 ある日師匠たちから、かつて一門にいた志ん魚を探すよう命じられる。志ん魚がお気に入りだった会長のご機嫌取りの為に高座に復帰させようというのだ。 手掛かりや目撃情報を基に探し出したものの、落語家は引退し冴えない中年男になっていた。渋る志ん魚を復帰させる為、志ん田は彼の下で共同生活を…。 筋があるように見えて、森田監督ならではシュールでドタバタの支離滅裂だった前作に比べ、一応今回は筋や目的は見え、前作より見易い下町人情コメディになっている。 前作の森田監督のトリッキーな作風が好きだった人には違和感あるかもしれないが、ベタだけど無難な作りかな。 公開の2016年には森田監督はすでに死去。(2011年没) 前作オマージュや森田監督へ捧げられている点が随所随所に。 開幕シーンや冴えない若手落語家の主人公などまさにそう。 尾藤イサオ、でんでん、伊藤克信らが同役で続投。前作で下手な落語より下手な演技しか印象に残らなかった伊藤はやはり相変わらず上手いとは言えないが、いい感じで中年男の味わいを出していた。 今回主演の松山ケンイチ、ヒロインの北川景子(メチャハツラツ魅力的!)ら森田監督縁のキャスト。他にも野村宏伸、佐々木蔵之介、塚地武雅、鈴木京香、仲村トオル、三田佳子ら森田監督縁の面々。 監督は長年森田監督作品で助監督を務め本作でデビュー、音楽も常連の大島ミチル。 本当に森田監督がどれほどの人たちに愛されていたか分かる作品。 今回も落語そのものへの醍醐味は薄い。 それに関わる人たちと周りの人たちのほのぼのとした人間模様。 下手でも味があると言うか、(個人的に)ビミョーだった前作からオマージュと愛溢れる続編が作られて、作品冥利に尽きるというもの。
リニューアル?いや続編でした。
のようなもの、最初のオリジナルは古臭すぎて見るのやめました。 リニューアルなのかなと思って見始めたら、続編だったんですね。 尾藤イサオがなんか感覚的に芝居くさくて演技が好きでない。 しかし、それを差し引いて、いいストーリーだった。 松山ケンイチ良かった。美人の北川景子が花を添えていた。 破門覚悟で、しんととに落語をさせたしんでん、良かったです。
たまにはこういう映画も良いな と思わせてくれた作品。 落語モノはほ...
たまにはこういう映画も良いな と思わせてくれた作品。 落語モノはほのぼのしていて良いですね。(雑に分類しすぎかな) 北川景子はタイプではないのですが綺麗でした。 松山ケンイチ凄いなー! deathnoteのLと同一人物だとは思えない。 台詞の溜め方とか色々すんごい。
ベタな流れですごく面白いとは思わないけど最終的にはハッピーエンドで...
ベタな流れですごく面白いとは思わないけど最終的にはハッピーエンドで良かったな〜と思える。 前作は観てないけど、観てなくても何の問題もなく観れた。 のんびり観れる映画。
北川景子のムダ遣い?
映画の内容なんかどうでも良く出演者の豪華さがやたらと目について興奮しちゃう😵よ〜く考えると森田芳光監督の過去作へのオマージュが端々に透けて見えてますます内容が入ってこない(苦笑)
森田芳光監督に敬意あり
森田芳光監督デビュー作「の・ようなもの」の続編。35年のときを経て当時助監督だった杉山監督がその続編を作ったということに意味があった作品で、登場人物もそのままの設定で起用していていろんな感情が湧いてくる作品になっている。また杉山監督も本作がデビュー作。 冒頭から全く同じシーンで始まり、森田作品を鑑賞済みであれば嫌でもテンションの上がるオープニングで、キャラクターも然り「天ぷらそば」など小道具に至るまでオマージュが豊富にあり、すべてにおいて森田監督に対しリスペクトが感じられた。また演出や描写もずっとわかりやすくなっており、とてもほっこりする内容で幸せにしてくれる作品だ。 ただ如何せん前作を観てないと相関図や個性がところどころ分かりにくいと思われ、作品の楽しみ方も含めて前作を観ておくことは必須かと思われる。
間、テンポ、空気感が心地よい。
前作の「のようなもの」はみていませんが、本作も楽しめました。 昔の日本映画でよく見かけた心地よい雰囲気の作品、という印象。間とかテンポ、たわいもない日常会話、ちょっぴり甘酸っぱい感じ、それらの要素がとても「懐かしい」感じになっている。 珍遊記の後に見ると、松山ケンイチを見る目線が変わって面白いかも(笑) またコイツらに、会いたいなぁ〜〜。
オマージュ
森田芳光監督へのオマージュはわかるけど、森田芳光監督作品の空気感出せるワケなく、その意味で本当にの・ようなもののようなものでした。 北川景子さんはどうしても新婚イメージあって、ちょいと若い設定の役は違和感だったりして~DAIGOがNKI憎い!! それにしてもやっぱマツケンくんは巧いねぇ~映画
映画を作る側の楽しさが、伝わってきます!
故森田芳光監督の 前作「の・ようなもの」から35年後の設定。 ゆるい世界観と人情あふれるお話で、 等身大の時代背景を捉えていましたが、 昔ビデオで見た時は、 あまり印象に残っていませんでした。 模倣犯 と東京日和、不夜城は好きだったけど。 そんな思い入れのない僕ですが、 なんとなく劇場へ。 演出は森田組の助監督だった 杉山泰一さんのデビュー作で、 キャストも当時のままに。 そこに松山ケンイチさんと 北川景子さんが、 絡んでいるらしい。 忘れかけていたけど、 冒頭のベンチのシーンからオマージュ満載。 様々なシーンで森田愛に溢れてます。 そうそう、こんな演出だったなぁと、 だんだん記憶が蘇ってきました。 けど一つ違うのは、 さらりとした前作とは反対に、 骨太なストーリーが支えています。 駆け出しの落語家の青春劇として、 しっかり感情移入できました。 前作よりも濃くなった落語界のディテールも、 知らない世界への興味を駆り立てます。 35年後の、キャストの姿を見るのも楽しい。 だから前作を予習していくと、 もっと楽しめますよ。 まず森田監督に見出され 前作がデビュー作だった伊藤克信さんは、 あんなにイケメンだったのに すっかりオジさんに(笑) でんでんさんは、いい年の取り方をしたなぁ。 尾藤イサオさんは、ほぼ変わらないですね。 1カットづつの超豪華なゲスト出演にも、 ニヤニヤしっぱなしです。 コミカルでちょっと切ない 松山ケンイチさんは、 相変わらずの安定感。 けどやっぱり、ど根性ガエルのヒロシに見えてきちゃうなぁ。 北川景子さんはちゃきちゃきした娘を熱演。 存在感があってよかったです。 全編を通して、 キャストや制作陣から 森田監督への想いが伝わってきました。 みんな大好きだったんでしょうね。 ラストの爽やかで投げっぱなしななカンジも、 見事に森田節でした。 昨今の邦画はTV局や タレントや漫画・小説原作主体で、 映画を作る側の楽しんでるカンジや メッセージが伝わってきません。 だから森田さんや市川準さんのような監督が、 でてこないのかな。 思えばそれこそが、邦画の楽しみだったのにね。 そういう意味では、 久々に劇場で観て良かったなぁと思える 良作な邦画でしたよ。
独創性に溢れた前作から一転、今回は普通にいい映画でした
つい先日前作を鑑賞したばかりなんで、リアルタイムで見た方のように懐かしい想いに駆られることは無かったですが、まあこれが良いのか悪いのかは何とも言えないところですが、今回は思いのほか普通にいい映画に仕上がっていましたね。 何せ前作がとにかく独創性溢れる奇抜さでしたので、逆に今回は普通過ぎてビックリ。 ただ正直私自身は前作の奇抜さにいまいちついて行けなかったものですから、今回の作風でちょうど良いぐらいでしたけど。 森田芳光監督の下で長く助監督を務めた杉山泰一監督も、まあ森田監督と同じことをやっても敵わないと言うのはよく分かっているでしょうから、まあこれはこれでOKなんじゃないかなと・・・でも、前作ファンには物足りない可能性大でしょうな・・・。 あの意味不明な構成、変態チックな作風は、ホント強烈でしたもんねぇ。 とは言え、何者にも成り切れない者達の自分探し的な青春人情喜劇テイストの本作の方が、私自身は圧倒的に好きですよ、ごく普通の映画ファンとしては、やっぱり万人向けがホッとします(笑) しかし35年後に作られた続編なのに、前作キャストがそのままの役で多数出ていたのは面白かったですね! 特に伊藤克信のしんととは風貌は老けてブヨブヨになっていたのに、雰囲気や話し方は全然変わっていなくて妙にほっこりとさせられました。 逆に伊藤克信やでんでんと違って、師匠役の尾藤イサオは雰囲気が全く変わっておらず、これまたある意味ビックリ。 ただ、尾藤イサオの使い方・生かし方が、前作に比べると今回はやや微妙だったのはちょっと勿体無かったかな。 まあ主題歌は相変わらず素晴らしかったですけどね、あの歌を聴くと物凄くいい映画を見た雰囲気にさせられます。 前作のキャスト以外はほぼ森田監督ゆかりの役者で、特に主役の松山ケンイチとヒロインの北川景子は、前に出演した映画の役を髣髴とさせるような役柄にニヤリとした方も多かったのではないでしょうか。 森田作品絡みでだけ見せる北川景子のはじけっぷりは、ある意味貴重と言えましょう。 しかし生真面目なしんでんと、対照的な生き方をするしんととの絡みはホント面白かったなぁ。 下町情緒溢れる人情味に、心が和みました。
天そばに鴨南。
35年ぶりって私はあの頃幾つだったんだろう^^;なんて、自分への オマージュいっぱい。未だに亡くなったとは信じ難い森田監督組が 勢揃いという感じでじんわり愉快。シュールさは見受けられないが、 分かり易い作りで谷中散歩を満喫。鑑賞後にはロケ地巡りに加えて 何といっても天ぷらそば!!(エビ三本ね)絶対に食べたくなること 間違いなし。お墓で鴨南蛮も食べてみたいなぁ~ムリだろうけど^^; デビュー作当時から独特な雰囲気の伊藤克信。まったく変わりなし。 行方知れずの志ん魚なんてそのまんまだし冒頭の登場場面もニヤリ。 驚いたのはお相手松ケンの演技力で、もちろんまるで落語家という 感じではないんだけど、その人柄、兄弟子への世話三昧など、もう 笑いっぱなし。何気に鉄ヲタなのも懐かしい。北川景子も間宮兄弟 ~のお転婆ぶりが愛らしい。前作からのイサオとでんでんもお元気v 人間の・ようなもの。である彼らの生き方がその面白さを表現した。 森田監督は早い時分からそんな人間の愉快に気付いていたんだなぁ。 (ゴージャスに一瞬登場する名優陣、其々の代表作色がビンビンです)
続編だったのね…。
「の・ようなもの」という作品があることは、なんとなく知っていたが、今回のは35年後の続編だったのね…。 その前編を観ないと、本当の意味で楽しめないのかも…というのが感想で、ちょっと期待外れだったかな…。 まあ、適当には面白かったけどね…。
前作未見だけど懐かしい。
僕は自他共に認める森田芳光の熱烈なファンである。「○本噂のストリッパー」や「ピンクカット 太く愛して長く愛して」も追いかけて映画館で観た。 そんな僕であるが、「の・ようなもの」は、実は観ていない。本作の公開までには観ておきたかったのだが、かなわなかった。 長年、森田芳光についていた杉山泰一監督が、モリタイズムを継承していて、森田ファンとしてはうれしい限りである。 志ん米(尾藤イサオ)や志ん水(でんでん)は前作からの登場人物で、志ん魚(伊藤克信)とは兄弟弟子にあたる。 そういった人間関係は前作からの流れがあって、やっぱり前作を観ておけばよかったと後悔した。 落語の描き方はどうだったのだろうか。 銭湯で演じた志ん魚の落語と、追善興行で演じたそれとの違いはどこにあったのか。そういうところがはっきりしないのは欠点ではあるけれど、志ん魚と志ん田(松山ケンイチ)のカットバックは感動的であった。 宮川一朗太が家庭教師を頼んだり、仲村トオルが関西弁をしゃべったり、そういうのは無駄かもしれないが、映画を豊かにしている。 志ん田が二つ目になったことだし、まだ、続きがあってもいいかも。
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