「ストーリーの展開にこじつけ感があった」タイム・クライム mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーの展開にこじつけ感があった
韓国映画のタイムトラベルSFってどんなんだろう?と期待しながら観ました。
最初はまとまりのいい小品かなと思っていたのですが、物語の展開に無理があり、ラストもそれほど心に残るわけでなく、残念な気持ちが残ったまま終わってしまいました。
時空間移動を研究するウソクは深海エネルギーを利用してタイムマシンの開発をしていたが、将来性のないものに金はつぎ込めんとして、投資企業から契約打ち切りを言い渡される。
研究開発をあきらめられないウソクは、タイムトラベルの成果を見せて開発を存続させようと、1日未来へのタイム・トラベルを実行する。ウソクは助手のヨンウンとともにタイムカプセル?に搭乗し、24時間後の12月25日まで移動するが、そこで2人が遭遇したのは爆発寸前の火の嵐の研究所。
2人は何とか元の日付(現在)まで帰還できてタイムトラベルは成功したのだが、未来の異常事態を回避するため、防犯カメラのコピーを分析することに。
未来の映像と現在の状態を照らし合わせながら、研究員たちが悪戦苦闘するSFサスペンス。
なのですが、話の経緯がとても、わかりにくいです。
登場人物の設定もあいまいで、科学者たちは理性的であるはずなのに、感情的で、各々の結びつきもわかりにくいです。大きなプロジェクト実行のわりには計画性もなくチームワークもばらばら。
主人公のウソクのキャラもよくわからず。周囲から自分勝手と言われているが、鼻持ちならないエゴイストとして描かれているわけでなし、印象は見る感じ悪くないし。
ウソク(男主人公)やヨンウン(ウソクとタイムカプセルに同乗したスタッフ)やジフン(ヨンウンの彼氏)のつながりが最初は見えてこなくて、終盤になって明かされるのですが、もっとはよ言うてよって、感じでした。それらの展開もこじつけみたいだったし。
研究所の内部のインテリアなど、ちょっと錆びた風なコンクリート造りでお洒落だったし、タイムカプセルの多面体もデザインは悪くなかったです。好きな場面は、ウソクが終盤、時系列のメモをするところ。未来のメモの切れ端と今書いているメモをパズルのように合わせるところ。
未来には時間移動できるが、過去に行くことはできない。
でも、現在から未来へ飛んで、現在に戻ることができる、
というのは、ちょっと理屈っぽかった。笑