人生スイッチのレビュー・感想・評価
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ラテン味溢れる悪趣味が炸裂したトラジコメディ
飛行機に搭乗したファッションモデル、豪雨の中やってきた客に応対するウェイトレス、山中の道路を急ぐアウディに乗った男、娘の誕生日にケーキを買おうとしている爆破技師、早朝息子に叩き起こされる資産家夫婦、披露宴の真最中で幸せ絶頂の新郎新婦・・・それぞれの状況にいる人々が突如として降りかかる災厄にボコボコにされるトラジコメディのオムニバス6編。
アルゼンチン産ゆえラテン色バリバリ、バイオレンスも中学生レベルの下ネタも一切遠慮なし。救済もあったりなかったりで、引きつった笑いと大爆笑が入り混じる場内。個人的には3話目、ジョー・エスポジートの”Lady, Lady, Lady”が流れる中での殺し合いがシュールで爆笑しました。アウディのカーステで『フラッシュダンス』のサントラを流すセンスから同世代の仕業と思ったら監督ダミアン・シフロンは75年生まれとやや若くて意外。第1話の壮絶なラストに被さるオープニングタイトルから意外としんみりくるエンディングまで一気に見せる手腕はハリウッドも見逃さなかったらしく、次回作は『600万ドルの男』の映画版とこれまたアラフィフ好みの素材に抜擢。要注目。
アルゼンチン版『バカヤロー!』?
心臓に悪いけど、よく出来ている。人間は怖い。
5つの物語が、どれも人間の怖さを表している。アルゼンチンの社会も反映しているのかもしれない。
どれもストーリーの展開がとてもテンポよく、中途半端で終わらない。行くところまで行ってしまう恐ろしさ。シャレもユーモアも効いている。最期の物語はちょっと期待を裏切ったかもしれないけど、よく考えられた面白い映画でした。
最高のブッラクユーモア
今年最高の映画に出会えました.
オムニバス形式で異なる怒りの形を痛快に表現しています.
男同士の喧嘩,世間のバッシングに怯える夫妻,修羅場の新婚夫婦など異なる場面を短時間で切り替えることにより飽きずに楽しむことができます.
一番印象に残ったのは,『ヒーローになるために』です.
爆破解体工の父親が娘の誕生日に起きた些細な駐車違反から,人生が崩壊していくのがあらすじとなります.
まず,ビルの解体に成功するシーンから始まりますが,この爆破スキルを駐車違反の怒りに対してどう使用するのかドキドキしながら見ることができますし,題名の「ヒーロー」とは何なのかということを終始期待させられます.
社会人なら誰でも経験する社会の不条理を泥臭くありながらも吹き飛ばすことでヒーローとなった父親の姿にある種の爽快感を覚えます.
映画の出来はもちろんのことながら,邦訳も妙手であり,最高の短編になっていました.
他の話もブラックユーモアに溢れており,かつてスヌーピーを楽しんだ身としては,非常に面白い作品でした.
1回で6回美味しい映画といえます.
苦しみの先にある気持ち良さ
沸点低い人は端から見てる分には面白い
2015/08/19、109シネマズ川崎で鑑賞。
各エピソードの主人公たちはみな沸点が低くて身近にいたら迷惑だろうなと思いつつ、旗から見る分にはこんな面白い人いないよね。
エピソード1,2のおかえしとおもてなしはあまりひねりがなくていまいちでしたが、
3のエンスト沸点の低い二人のちょっとした交通トラブルからとんでもない結末になるというw
4の愚息は登場人物がみんなクズで、人を轢き殺した息子の代わりに使用人に罪をかぶせようとした父親がまともに見えてくるw
5のヒーローになるためには日本で警察のひどい取り締まりにあった経験がある人なら共感できるかも。
6のHAPPY WEDDINGは結婚式早々の壮大な夫婦げんかですね。まさに夫婦げんかは犬も喰わない的なラストで面白かった。
最後の最後で度胆を抜かれる作品。
日常の延長線上。
何気ない選択が平穏な人生を決定的に狂わせる。
そんな状況に直面した人々の顛末を描いたオムニバス作品。
「1:おかえし」「2:おもてなし」は正直微妙。
面白くない訳ではないですが。
設定の粗さ、共感のし難さもありイマイチ。
これが残り4編続くのか…と少々不安でしたが。
「3:エンスト」から徐々にエンジンが。
常識が通じない粗暴な人物との対峙を通して。
朱に交われば赤くなる主人公。
複数回の立場逆転の末、迎える或る帰結。
その間抜けさに思わず笑いが漏れました。
「4:ヒーローになるために」「5:愚息」は登場人物がグッと増えて。
間抜けで不毛な争いがより多面的に描かれる。
扱われるテーマの新鮮味は薄いですが一方で理解/共感し易く。
派手では無いですが普通に面白いブラックコメディー作品に。
この流れを組む形で着地する…と思いきや。
「6:HAPPY WEDDING」でやってくれた。
これまでバットを短めに持ちコツコツと当ててきたが。
最後の最期で大振り。
しかもキチンと当ててガツンと飛ばしている。
これまでの編では無かったハイテンションかつスピーディな展開。
「エッ!?」と驚き、「エェ。。」と絶句。
畳み掛け、畳み掛け続けて迎える或る帰結の小気味良さ。
絵面の間抜けさも相まって明暗入り混じった笑いが絶えませんでした。
最後の最後で度胆を抜かれる本作。
昔懐かしの映画「バカヤロー!」シリーズに似ている気がします。
その類型だとしたら出演俳優の“格”みたいなものが分かると更に楽しめるのだと思いますが、知らずとも十分楽しめる作品でした。
オススメです。
爽快!!
激混みでした!
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