劇場公開日 2015年7月25日

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「最後の最後で度胆を抜かれる作品。」人生スイッチ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0最後の最後で度胆を抜かれる作品。

2015年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

怖い

日常の延長線上。
何気ない選択が平穏な人生を決定的に狂わせる。
そんな状況に直面した人々の顛末を描いたオムニバス作品。

「1:おかえし」「2:おもてなし」は正直微妙。
面白くない訳ではないですが。
設定の粗さ、共感のし難さもありイマイチ。
これが残り4編続くのか…と少々不安でしたが。

「3:エンスト」から徐々にエンジンが。
常識が通じない粗暴な人物との対峙を通して。
朱に交われば赤くなる主人公。
複数回の立場逆転の末、迎える或る帰結。
その間抜けさに思わず笑いが漏れました。

「4:ヒーローになるために」「5:愚息」は登場人物がグッと増えて。
間抜けで不毛な争いがより多面的に描かれる。
扱われるテーマの新鮮味は薄いですが一方で理解/共感し易く。
派手では無いですが普通に面白いブラックコメディー作品に。

この流れを組む形で着地する…と思いきや。
「6:HAPPY WEDDING」でやってくれた。
これまでバットを短めに持ちコツコツと当ててきたが。
最後の最期で大振り。
しかもキチンと当ててガツンと飛ばしている。

これまでの編では無かったハイテンションかつスピーディな展開。
「エッ!?」と驚き、「エェ。。」と絶句。
畳み掛け、畳み掛け続けて迎える或る帰結の小気味良さ。
絵面の間抜けさも相まって明暗入り混じった笑いが絶えませんでした。

最後の最後で度胆を抜かれる本作。

昔懐かしの映画「バカヤロー!」シリーズに似ている気がします。
その類型だとしたら出演俳優の“格”みたいなものが分かると更に楽しめるのだと思いますが、知らずとも十分楽しめる作品でした。
オススメです。

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Opportunity Cost