劇場公開日 2015年4月17日

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「狂っているだけでは音楽にはならなかった」セッション Y.Yukiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5狂っているだけでは音楽にはならなかった

2015年4月27日
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前評判の高さから期待をして観に行きました。Buddy Richの曲を好んで聴いていたので、耳でも楽しめる映画でした。
しかし、ストーリーの方がいまいち私には合いませんでした。J.K.シモンズ演じる教授の熱烈さや狂気というのはビシバシ伝わってくるのですが、マイルズ•テラー演じる学生が、シモンズに感化されて変化していく様子にあまり劇的なものが見られず、彼から狂気的な音楽への情熱のようなものが伝わって来なかったです。
ラストシーンでも、復讐の応酬から2人が徐々に理解しあって高まってゆくという流れは観ていて分かるのですが、何かが足りないのです。狂気や熱は伝わるのですが、音楽への愛(?)というのが描かれていない為か、ただ激しいだけの映画に思えてしまいました。
『セッション』と同じように、音楽に没入していく、狂っていく、というような映画でしたら『4分間のピアニスト』という素晴らしいドイツ映画があります。こちらも厳格な教師と生徒という関係の中でストーリーが展開していくのですが、ラストシーンの息もできないような圧倒される感覚は『4分間のピアニスト』の方が凄かったです。

Y.Yuki