劇場公開日 2015年4月17日

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「映画の新しい風を感じる」セッション つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画の新しい風を感じる

2023年11月7日
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鑑賞方法:VOD

この、気持ちがいいとは言えない物語の本作が面白い理由は、演出にある。
観る者に圧迫感をあたえる、迫ってくるような映像の連続は、音楽という本来は美しいものであるはずのものと対をなし、正体不明の高揚感を発現させる。

演奏シーンで演者を捉えるのではなく、楽器、演奏する手を映すのは斬新だ。
ありそうでなかったカメラワークといえる。
罵りと汗と演奏する手、本編のほとんどがそれだけで構成されていたような、正に映像体験。

近いカメラ。早いカット割り。デイミアン・チャゼルの特徴かと思う。
忙しない作品になりやすいともいえる。そのせいか苦手な人も多いみたいだ。
カルト的な人気の監督といえるのかもしれない。私は好きだ。新時代の監督という感じがするのもいい。
「ラ・ラ・ランド」「バビロン」「ファーストマン」と観たがどれも傑作に近いと思う。そして本作も。

監督がデイミアン・チャゼルというだけで内容に関わらず観たいと思う。
そんな監督は数えるほどしかいない。

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つとみ