「不器用」セッション ツネミさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用
・公開時に観て2度目なのでおよそ6年ぶりに映画館でやってたので観た。あれだけ演奏シーンがあって交通事故の所の印象がものすごく強くて、ドラムをしてる時の罵声とほぼ同じくらい。
・練習の際に、手の血を氷水でアイシング?していたけども、あれは実際にもそういうのをしてるのかなと思った。
・ニーマンの痛々しさがすごく感じられた。前回見た時はまだ29歳だったこともあってか、何者かになりたい、大物になりたい。そんな気持ちに共感していた気がする。だから、血だらけの手で演奏するのも当たり前だくらいに思って見てたような気がする。今回見てみて思ったのは、もっと厳しいパワハラで教えてたと思ったらあんまりそういう風に見えず、あれぐらいの事で諦めるなら仕方ないように見えてきて先輩ドラムが医大へ行ったのも良かったんじゃないかなとか思った。
・トランペットのシェーンは名前だけの登場だったけど、なんとも言えない気持ちになった。精神を病むくらいの努力というのか追い込みを科してようやく良い演奏といわれるとなると、楽しみで演奏はもはやできないだろうし、とはいえトランペットは人生だから捨てられないしと思い込んでしまうのを、果たして救うことが他人に出来るだろうかと悩ましい。なんというか、命を救う事はできたかもしれないけど、その先の葛藤は死ぬまで続くことになったんじゃないか、と。すがる物がひとつだけの人間の宿命というのか全てをひとつのものにかけた人間の負の側面がキツかった。
・ニーマンのラストの演奏が良かった。いわば教授に反撃を喰らわせているけど、全て教授の手の中感が否めなくて反撃としては物足りなく感じつつも、ニーマンが大きな飛躍をした感じが良かった。とはいえ、ニーマンの性格や環境だとあの演奏の後も苦しそうだけど。
・教授にしごかれまくって成功した人はいいけど、カンフル剤として使われた人たちとかの方が悲惨だと思った。トロンボーンだったかの間違ってなかった人は気が弱そうなのにあの後、どうなったんだろう。
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