「狂気の沙汰。」セッション かずひくんさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気の沙汰。
ドラムを愛する一人の青年と恐ろしすぎる鬼教官の話です。
学生時代、何かに本気で打ち込んだことがある人であれば、必ず共感できるであろう鬼教官の存在。いや、さすがにここまでヤバい教官、というか顧問の先生、あるいは監督はなかなかいないだろうとは思うのですが、それでも誰しも必ず似たような存在の指導者と出会ったことはあるはずであり、自然と過去の自分と重ねてしまう人も多いはずです。
この映画は、学生時代、何かに本気で打ち込んだことがある人には必ず響く映画だと思います。恐ろしすぎる鬼の指導者。最初は、そのあまりに理不尽な指導に対し、「死ね、殺してやる。」なんて常に考えてしまいますが、気づけばその思いが反骨精神を生み、狂気の沙汰と言えるほどまでの練習意欲を生み出していきます。
極限までに磨き上げていくスキル、手が豆だらけになり、それが潰れ、血まみれになりながらも絶対にスティックを離さず、一心不乱にドラムを叩き続ける主人公。しかし、それでも「まだだ!もっとだ!」と上を求め続ける指導者。見ているこっちもアドレナリンがドバドバです。
物語のラスト9分。主人公が最後にどんな決断をしたのか、そして、圧巻の最後の演奏。これに魂を揺さぶられない人間は、存在しないはずです。必見です。
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