「面白い!」ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション R41さんの映画レビュー(感想・評価)
面白い!
お馴染みの音楽 1960年代のテレビドラマ「スパイ大作戦」
ドキドキワクワクと同時に、このタイトルでもある「不可能な任務」と同時に存在する期待や希望
それは、必ずミッションを達成して無事帰還すると信じ込ませるだけの主人公の底力を視聴者は信じて疑わないから起きる。
つまり最初から成功することが前提としているにもかかわらず、絶望的状況からの脱出を視聴者が期待していることになる。
このシリーズにはそれだけの魅力というのか信頼のようなものがあるのだろう。
主人公に扮するトム・クルーズさん
最新映画のPRのため来日したが、彼もまた無類の日本びいきの人だ。
ラストサムライで彼が見た日本という異国
それはきっと思っていたのとまるで違ったのだろう。
昨今からの日本ブーム 外国人たちおは日本で何を発見するのだろう?
さて、
ローグという言葉 ならず者とか秘密組織とかのニュアンスを持つ言葉
この作品に込められていたのは「シンジケート」でありならず者国家だった。
そして主人公らが所属するIMFというのは、インポッシブル・ミッション・フォース
「このメッセージは5秒後に自動的に消滅する」というのもスパイ大作戦からそのまま使用されている。
最初の作品はトムが若干33歳で、プロデューサー兼主演を務めた。
そしてこの作品では53歳だったことを鑑みると、現在上映されている作品と彼の年齢は…。おそろしい…
さて、、
この作品の冒頭 イーサンがソロモンにハメられてしまう。
このガラス張りの仕掛けとレコード店員の娘が殺されてしまったことが、イーサンにとって相当屈辱的な出来事だったのだろう。
最後に同じ方法でソロモンを嵌めた。
また、ヒロインの立ち位置も面白い設定だった。
イルサはイギリスの諜報機関MI6の潜入エージェントだが、彼女のボスがシンジケートの一員だったことで、彼女は何をしても逃げられない状況になっていた。
この複雑さはこの作品の面白さでもある。
そしてイーサンとイルサは信頼という絆を築きながらも恋にはならない。
これは従来のシリーズから見れば視聴者の期待を外すようでもあるが、実際の彼の年齢そして何よりも彼女にとって必要だったのが「自由」だったからだろう。
ソロモンをガラスケースに閉じ込めてガスを送り、そのまま搬送するシーンとのコントラストとなっている。
この作品のテーマというのか中心にあったのは「くやしさ」だったような気がした。
冒頭のイーサンのくやしさ
命令と裏切りでどうにもならなくなったイルサのくやしさ
そしてIMF解体の理不尽さに対するくやしさ
このIMFを危機に陥れたCIA長官アランに対し、このシンジケートが起こした一連の事件の解決の手柄をアランに与えたというのもいい設定だった。
アランはその後IMF長官になって「フォールアウト」へとつながっていくというのは、シリーズ物として最高の接続ポイントだろう。
そしてオーストリア首相の暗殺という設定は、第一次世界大戦を思い起こさせる。
運転手が道を間違えたことで起きた悲劇
あの時もし運転手が道を間違わなければ世界大戦は起きなかったかもしれないという考え方、バタフライエフェクト。
もし、イーサンたちがシンジケートを破壊できなかったら起きるであろう出来事
このように実際の歴史、特にネガティブな歴史に向かわせないように命を懸けてミッションを達成させようとする誰かヒーローの存在を考えることこそ、欧米人の正義感なのだろう。
毎回毎回、達成できるわけないだろうと思わせ、それを世界平和のためにやってのける男たちの存在は、視聴者に夢と希望を与えるのだろう。
面白過ぎて目がまわる。