「冤罪、それこそが悪魔の所業」デビルズ・ノット 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
冤罪、それこそが悪魔の所業
疑わしきは被告人の利益に。
こんな簡単なことが守られない司法というものがあるのだ。海外だけによらず、日本の痴漢冤罪などを描いた、それでも僕はやってない、も同様である。
明らかに、組織としての怠慢なのだが、地域の人間の多数派が納得するような人を犯人に仕立てれば良いという、便所のネズミの糞にも匹敵する発想で、こうした冤罪が起きるのだ。これこそ正に、悪魔の所業と言って間違いない。
この地域はかなりの熱狂的信仰者が多い地域で、はみ出し者を忌み嫌う排他性のある地域。彼らは、神を信じると言いながらも、その神は実際は悪魔の顔をしているのだ。誰かのせいにして、自分の罪をなすりつけ生きる。これが、悪でなくてなんだろうか。
それを訴えかける映画である。
ちなみに、事件の結末は不明のまま終わる。冤罪とは言わないまでも、明らかに物的証拠も、不利となる証拠の抹消もあり、冤罪の可能性が極めて高い、というのが、この映画の立場だ。
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