映画 深夜食堂のレビュー・感想・評価
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釣った魚に配慮した手堅い作りの作品。
漫画原作の深夜ドラマ、の映画化。 プライムタイムのドラマ映画化は腐る程ありますが。 …大半が腐りきった産廃作品ですが。 30分、一話完結の深夜ドラマ映画化は目新しい。 数ある“夜食テロ”ドラマの中でも人情噺に特化して人気を得た作品だからこそ成立したと言えます。 作りは元のTVドラマを踏襲した30分完結の短編を繋げたもの。 ただ、完全に独立した短編ではなく季節毎に語られる全四編に緩やかな繋がりがあり最後の短編で緩やかな回収がされる。 従来のTVドラマファン、劇場に足を運ぶ大多数に十分に配慮した上で。 TVドラマの尺を超えた、映画の尺に合った作りを手堅く実践。 新鮮味は全く無いですが、その手堅い姿勢は一種の誠実さを感じました。 逆に言えば、当然とも言えるこの作りすら出来ていない作品が昨今多過ぎる印象。 映画「テルマエ・ロマエⅡ」とか。映画「シン・シティ 復讐の女神」とか。 とは言え、本作も突き抜けた面白さ…という訳では無く。 興醒めしない程度には面白い。 この作品はこの程度、という良い湯加減に仕上がっていました。 作中取り扱われる短編の中で最も良かったのが「とろろご飯」。 普段スポットが当たらないマスターの日常を描きつつ。 オリジナルの登場キャラが良い味を出している。 特に本編のメインである多部未華子。 冒頭で魅せる飢えを凌ぐ場面の可笑しさ。 意味が有るんだか無いんだか分からない銭湯シーンを挟みつつ。 徐々に心を開いていく過程を表情で示す巧さ。 懐かしさすら感じるベッタベタな人情噺を登場人物全員が誠実にやりきった点にグッときました。 「とろろご飯」以外の短編は正直イマイチ。 「ナポリタン」は結論有りきで過程を端折り過ぎたが故に唐突感が否めない。 「カレーライス」は登場人物の心情を全て台詞で語らせる、邦画の病理が前面に。 先の震災を一種の義務感、又は最近感を出す為にチョイと取り扱う感じもいい加減辟易。 最後の短編も隠し球である大物俳優の登場は驚きましたが。 その面白さも別作品における役者の関係性を踏まえたメタ的な面白さ。 大物俳優のヤリ過ぎな過剰演技もあり、置いてけ堀感は否めない感じでした。 釣った魚に配慮した手堅い作りの本作。 褒め言葉かは分かりませんが。 鑑賞後は映画「バカヤロー!」シリーズを観たような感覚。 ナンバーワンでも、オンリーワンでも無いですが。 TVドラマのファンは安心して観れる作品だと思います。 オススメです。
懐かしさを感じる映画
TVドラマもすべて見ましたが、同じ感覚で見られる映画に仕上がっています。 だたセットが広がっていたり、マスターの普段の生活が見れたり、スペシャル間はあります。 マスタ-の小林薫さんは本当にかっこいい。 彼のための映画と言っても過言ではないと思います。 ただし田中裕子登場の唐突さは少し気になりました。 あとエキストラで向井理が出ているのも、びっくりしました。 終わった後に懐かしく、少し寂しくもなるような映画。 ただしドラマを見ていない方は原作かドラマを少しかじって鑑賞されることをお勧めします。 この先、寅さんのようなシリーズ化されることをテレビ、映画とも望みます。 もう一回見に行こうと思います。
30分ドラマから➡119分へ
深夜食堂はドラマからファンですべてみてきました。 今回の映画化に際しドラマから映画どんな構成になるか楽しみでした。 四季の移り変わり細かい演出の前後関係本当に綺麗な映画でした。 内容も心をほっこり満たしてくれる。 日常にありふれるいい話は健在でした。 いい映画でした。
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