映画 深夜食堂のレビュー・感想・評価
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必要な居場所
ドラマは未視聴。
マスターの佇まいや客に干渉しすぎず大きな懐で見守ってくれる所が素敵でした。
客はややアウトローな人からかわいい女性まで、千差万別とまではいかないけど、いろんな人が集まって自然に会話が生まれ昔からの知り合いのような空間に羨ましさを感じました。
あんな場所、私にもあったらいいな。
短編3本で構成されています。
多部未華子さんの話は、居場所のない辛さがひしひしと伝わって来ました。
普段はきれいな女優さんなのに、最初は見事に訳ありな女性になってて驚きました。
何でもいいから、特技をひとつ持っているのは身を助けますね。
カレーライスの話は、福島で被災した男性とボランティア女性の話です。体験しないと分からないリアルな葛藤でした。遺体がみつからなかった遺族の気持ち、そこまで考えてませんでした。悲しみから救い出したい、でもやり方が間違っていたんじゃないか。人を救うことの難しさを知ることが出来ました。
最初の短編も含めて、少しずつ私と似ていました。
みんな少しずつだめで、起こってしまった不幸が原因でさらに下へ落ちそうになる。
でも、この深夜食堂は落ちそうな所でそっと手を差し伸べてくれて、頑張れる力を貸してくれます。
日本中にあればいいのにな。
落ちそうな時に本気で心配してくれる場所があれば、みんな頑張れます。
心温まるおいしい映画
なにも考えずゆっくり観る、何度も観てしまう映画。
マスターの小林薫の佇まいと声がいい。みんななにかしらをかかえながら生きていて食べものひとつひとつに想いがあって、じわじわと心温まる。観おわったと少し気持ちがふかふかするいい映画。
映画にしてもいい作品だった
映画化する前のエピソードからずっと見ている。漫画原作も読んでいる。
マスターって小林薫なんだなぁとしみじみ思う作品。この配役は素晴らしい。
余貴美子がいいアクセントを出している。マスターが好きなのね。
美味しい下町人情話と庶民料理に舌鼓
東京繁華街の片隅で、深夜にだけ開く食堂“めしや”。
マスターと、常連客たち訳あり客たちが織り成す悲喜こもごもの人間模様。
コミックを基にしたTVドラマの劇場版。
コミックは未読でTVドラマも未見だが、難なく作品世界に入って行ける。
と言うか、こういう人情劇が好きな自分にとっては、ドンピシャ! 美味しくお腹満たしてくれた。
口コミ人気は知っていたが、納得!
まずはこの雰囲気。
大都会の中へ中へ入って行くと、まるでタイムスリップしたかのように残っている昭和下町風情。
間違いなく現代が舞台なのに(東日本大震災や東京オリンピック2020などの背景あり)、昔ながらの氷屋が登場した時は、昭和かよ!…と。
まだまだ残ってるんだね。
そんな路地裏の店並びの中に。見落としちゃうくらい、ひっそりと。
開店は深夜12時。暖簾をくぐって中に入ると、古ぼけてこぢんまり。
だけど、それがまた乙な味。
メニューは数品しかないが、マスターが作れるものなら何でも作ってくれる。
今にも潰れそうに見えて、客足は悪くない。
この雰囲気や美味しい料理もあるが、それもこれもマスターの魅力。
こういう昭和風情の小さな店の店主って、昔気質で頑固なイメージ。
確かに口数は多い方ではないが、とにかく温かく優しい。
お節介はしないと言いながらしてしまう。面倒見が良く、困ってる人が居たら放っておけない。
THE人情男!
見守ってくれる眼差しに安心させられる。
客は皆、このマスターに会いに来るんだろうね。
小林薫が好演!
TVドラマからの常連客も顔を見せているらしいが、映画オリジナルのエピソードやゲストが初来店。
最近パトロンと死別したばかりの色っぽい愛人。冴えない風貌の年下男といい感じになるが…。
福島の被災者の男性とボランティアの女性。男は彼女を追って東京にまでやって来て…。
冒頭から店に置き忘れの謎の骨壺。やっと現れたその持ち主とは…。
高岡早紀、柄本佑、筒井道隆、田中裕子ら実力派揃い。
どのエピソードもユーモアありちょっぴり切なかったりしみじみさせるが、やはりみちるのエピソード。
ある日、無銭飲食した若い女性、みちる。
後日、謝罪と迷惑掛けた分働いて返したいと申し出る。
マスターは腱鞘炎になった事もあり、住み込みで手伝って貰う。
包丁を綺麗に研いだり、料理の腕も上手い。
無一文でネットカフェに寝泊まりし何日も風呂に入っていない。
彼女に何があった…?
聞けば、店を持たせてやる…と、男に騙された田舎娘。よくあるっちゃああるが、やはり同情してしまう。
騙した男に居場所を突き止められ現れるが、きっぱり断ち切る。
マスターや常連客たちとの出会い、ここの穏やかな暮らしで自信がついた生き方に悩む若者の成長と再出発。
マスターの馴染みの女将さんの計らいで、女将さんの店で料理人見習いとして働かせて貰う事に。
お世話になったマスターとの別れ。
これ一本で話が見たかったくらい、まるで寅さんでも描かれそうないい話。
多部ちゃんも好演。
幼馴染みのヒデコちゃんの事を語るシーンの表情や演技は秀逸であった。
各エピソードに伏線や繋がりは無く、淡々と代わる代わる語られていくだけ。
劇的な事件や展開も無く、毎度の事ながらこの手の作品がお気に召さない方には退屈かもしれない。
確かに絶品料理ではないが、誰もが美味しいと思える庶民的な味。
甘い卵焼き、タコさんウィンナー、ナポリタン、とろろご飯、カレーライス…どれもこれも食べてみたいマスター特製料理。
ごちそうさま!
また食べたい。
後味が微妙
さきに『続』のほうを視てしまったのだがなるほどよくわからなかったはずだと納得。常連さんは共通なのね。
多部未華子のエピソードは安心してほっこりできました。作品の世界観にフィットした人情譚でした。
高岡早紀エピも悪くない。
違和感を覚えたのが震災エピ。ちょっとした路地裏の悲喜こもごもからこぼれ落ちる人情味がこの作品の妙味ですが、震災ネタは小話として処理するには重すぎてバランスが悪いと感じられました。実際の出来事でもあるし。あさみちゃんは成長できてよかったですが結局筒井道隆は前を向けてなさそうで...この手の作品にしては後味が微妙。
人気コミックを原作に、深夜しか営業しない小さな食堂で織りなされる人...
人気コミックを原作に、深夜しか営業しない小さな食堂で織りなされる人間模様を描いて好評を博したテレビドラマ「深夜食堂」シリーズの劇場版。
美味しい料理って人を幸せにする
常連の集まる深夜食堂っていう設定が面白かったです。
8割くらいのシーンがこの深夜食堂で撮影されていて素敵な物語は展開していく。
美味しい料理って人を幸せにしますね。
料理人ってとても素敵なお仕事だとこの映画を観て思いました。
劇場版というスペシャルメニューをどうぞ!
"深夜食堂(劇場版)" シリーズ第1作。
レンタルDVDで鑑賞。
TVシリーズは未見です。
予備知識が無くても、すんなり作品世界に入れました。
味わい深い3つのエピソードがオムニバス形式で紡がれていましたが、大筋は深夜食堂にやって来た女性の成長と旅立ち。マスターとの交流が温かい涙を誘いました。
頑張る多部ちゃんを優しく見守るマスター。その眼差しはとても深いもので、波乱に富んだ人生を歩んで来た人のもののように思え、マスターの過去を知りたくなりました。
深夜ドラマのテンションそのままに、本作を映画館で上映していたと云うのが、めちゃくちゃ贅沢だなと思いました。
座り心地の良いシートに座り、スクリーンから滲む哀愁に浸るひととき。観に行けば良かったなぁ、と後悔しました。
観終わった後、心が安らぎました。
そして、とてつもなくお腹が空きました(笑)。
※修正(2023/07/20)
残業終わりでも行くと本気で思った
深夜しか営業していない食堂っていうのも魅力的ですが、さらにそこにいるマスター(小林薫さん)がとても魅力的でした。
あんなマスターがいたら、仕事終わりでも残業で疲れていても通うなあと思いました。
グルメが通うような名店も魅力ですが、常連さんがいつもいて安心できる食堂もいいですね。
そこで繰り広げられる人間ドラマも心温まってすばらしいです。
この作品のモデルになった食堂が大阪にあるらしいので、新大阪に出張にいったときにでも寄ってみようかと思います。
何がいいって、常連さんがみんなお節介でいいんだよね。家族や仕事や社...
何がいいって、常連さんがみんなお節介でいいんだよね。家族や仕事や社会や、いろんなしがらみが嫌で、それぞれに事情を抱えた人々が、見栄や外聞を捨てて本音で触れ合ってる。みんな人間関係に疲れたからこんな場末の食堂にまで逃げてきたはずなのに、そんな場末の食堂でみんながみんなを心配してる。失くしたからこそ作ろうとするし、もってないからこそ、与えようとするのかもね。小林薫の笑顔のなんと優しいことよ。
映画になってダラダラした
TVドラマのほうがキレがあったというか
長編になった割にはいいところがなかった。
1話目△2話目〇3話目×
特に3話目。東日本大震災にまつわるエピソードだが、
当時の世間の雰囲気に迎合して無理やり作った感が強く、色々と雑な内容。
どんな理由があっても
勝手に他人の骨壺の中に手を突っ込んで掻き回すのはNGだろう…。
悲しい過去は優しい
テレビで一話完結形式だったが、映画でも踏襲され、本作では、一人一人の寂しく悲しいストーリーが重なり合って、大きい物語を構成する事はない。これは、最近の物語の巧みさとは逆であり、孤独を増すかもしれない。だが、私達は決して大きな物語の一部ではなく、自身の特別な物語を生きている。そんな小さな世界だから、ほんの小さな優しさに意味がある。
「ナポリタン」「麦とろごはん」「カレーライス」 短編3つのもので、...
「ナポリタン」「麦とろごはん」「カレーライス」 短編3つのもので、深夜にやってるのと同じトーン。ただ、食堂以外の外のシーンも多く、広がりを感じる。
ここに出入りする人たちは、何かしら後ろめたさや傷を持っている。
その人たちを丁寧に、じわじわっと描いていて、他のことをしながらでも横目で見れるゆるさが良い。
新潟・福島など北日本エリアの方言をきっちり話している。練習大変だったのでは。でも、西ではなく、北方面の方が余情が出るのか・・・。
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