劇場公開日 2015年1月24日

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「良い話だけど、切なすぎる。」おみおくりの作法 marさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良い話だけど、切なすぎる。

2016年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

主人公は孤独死した人たちの身寄りを探し、葬儀・埋葬する民生委員。

ハンドクリームに残った指の跡、頭の形にへこんだ枕。亡くなった人の部屋に遺された、住人の記憶。決して言葉は多くないけれど、「死」と関わる主人公を通して「生き方」を描いた作品だと思います。

印象的だったのはやはり、最後の仕事を全うしようとする主人公の変化。いつも電車は後ろ向きに(進行方向とは逆を向いて)乗っていたのに、ラスト間近では前を向いて乗っていたところに心情の変化を感じました。
ココアもミートパイもアイスクリームも、この旅で食べたのが人生で初めてだったんじゃないでしょうか。

良い作品だけに残念なのが、物語の終わり方が切なすぎること。
序盤からずっと静かなトーンでしみじみしていたところで、まさかの急展開。
ちょっと衝撃が強すぎて、それまで積み重ねた作品の印象が壊れてしまったように感じました。

mar