劇場公開日 2015年1月24日

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「アルバムの家族。」おみおくりの作法 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アルバムの家族。

2016年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

孤独死した人々を見送る仕事を続けてきた、民生委員のジョン・メイ。
亡くなった人々の身よりを探しては身辺整理をし、葬儀を執り行う。
しかしほぼ99%の割合で葬儀には彼一人。丁寧な彼の仕事がリストラ
対象となり彼は最後の仕事としてビリー・ストークの身辺整理を行う。
ビリーの人生を辿る中で様々な関わりを持つ人々と出逢い、そのこと
がジョンの死生観を変えてゆく。死者は永遠。とはよくいったもので
私自身も若い頃から葬儀や法事が多かったことから、死者を弔うのは
遺された人々のためと分かっている。おそらく身よりのないジョンは
仕事としてそれを全うするだけでなく、彼らを家族のように見立てて
(アルバムの作成でよく分かる)心の拠り所としてきた。真心をこめて
彼らを見送るのは自分のためでもあったのだ。そんな彼がある出逢い
を機に活き活きと人生を謳歌し始めるのだったが…驚いたのはラスト、
タイトルの意味がまさかここで語られるなんて。信じ難いと思わせる
突然の場面で幸せそうに目を閉じた笑顔が甦る。E・マーサンが秀逸。

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ハチコ