延安の娘

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解説

文化大革命が残した傷跡と、その闇に飲まれ翻弄される人々にスポットを当てたドキュメンタリー。中国革命の聖地・延安。文化大革命の折に下放した紅衛兵だった両親によって、生まれてすぐに棄てられた娘が親探しに奔走する。「蟻の兵隊」の池谷薫監督の初監督作品。

あらすじ

※ドキュメンタリーのためストーリーは割愛します。

2002年製作/120分/日本
配給:蓮ユニバーアス=パンドラ

スタッフ・キャスト

監督
エグゼクティブプロデューサー
北川恵
中西利夫
プロデューサー
権洋子
撮影
福居正治
音楽
サン・パオ
録音
鈴木正実
編集
吉岡雅春
  • ハイシア

  • ホアン・ユーリン

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映画レビュー

3.0義侠のこころ

2019年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

 上映後に池谷薫監督と、作家の楊逸氏によるトークライブ。上映後のイベントも予期してなかったし、昨年読んだ「時が滲む朝」の著者の話が直接聴けるとは、夢にも思っていなかった。
 そのトークで監督が口にされていた「(中国の人たちの)懐の深さ」「市井の人びとの姿」というものが、文化大革命の時代の過酷さ以上に映画から伝わってきた。映画を撮った本人の語りによって、鑑賞後の所感にいち早く具体的な言葉を与えられるという、とても幸せな映画体験となった。
 スクリーンに映し出された延安の風景は、その自然ばかりか、人工物までもが乾いたブラウンのグラデーションのみでできている。
 緑や水は、強制労働によって作られたダムにしか見ることができない。文革後の長い期間、不遇かこってきた男性が、それでも誇りを失なわない理由を象徴しているのがこのダムだ。
 映画はこの男性の視点を通して、生まれてすぐ延安に置き去りにされた若い女性や、文革中に着せられた無実の罪を晴らそうとする中年の男性の姿をとらえている。自分のことは差し置いて、他人のために奔走する姿は誇らしく、彼の信条そのものであるように見える。
 市井に生きる中国の人々の、自らの犠牲を厭わぬ利他的な行為には義侠という言葉がぴったり当てはまる。たとえば、「三國志演義」の関羽や張飛の、劉備に対する義侠心は、この中国人の理想なのではないだろうか。
 我が国はすでにそうなって久しいが、消費社会が成熟してくると、人々は他人に無関心になり、義侠や義憤など昔話の中の話に思えてくる。中国社会もそのような時代になりつつあるのか、それともまだそのような心情が残っているのか。
 かの国の社会の変化は、西欧風の自由への欲求からではなく、彼ら自身が古来身につけてきた義侠心に火が点いた際に、一気に進むのではなかろうか。

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よしただ
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