「予想を超えて感動」予告犯 たなかなさんの映画レビュー(感想・評価)
予想を超えて感動
よくある社会に訴えかける、世の中の闇系の映画、もしくは山田悠介的な内容かと思っていましたがまったく違いました。
最初~8割くらいは、この日本社会の闇で生きる若者、みたいなテーマかと思いましたが
残りの2割で、友情や些細な日常の幸せ、が大きいと感じました。
捕まった窪田正孝くんの、犯罪集団への単なる憧れ、だけではなく「小さな事でも人は動く」という言葉がこの作品の全てなように思います。
この手の正義と悪は紙一重、的な作品でいえば起こす事件・動悸は確かに派手さがなく小規模です。でもだからこそリアリティがあり「もう少し大規模でもいいのに」と思った自分が、シンブンシの動画に「派手にやってくれ!」と書き込んだ有象無象の人間たちと変わらないな、と気づいて恥ずかしくなりました。父親にあって父ちゃんと呼びたい、小さな事で日本にやってきた友人、その小さな事から全てが始まっているわけですね。
最後自殺する必要はなかったと思う。それだけのことで?
という意見もみますが、その方々は「小さな事でも人は動く」「頑張れるだけ幸せだったんですよ、あなたは」ていうセリフをもう一度考えてみてほしいな、と思いました。
最後皆が泣きながら供述するシーンは号泣してました。
皆嘘はいってないんですよね、荒川さん演技が上手すぎて第二波号泣しました。だからこその「生き残ったら死んだ奴のすればいい」っていった生田くんの言葉が響きます。もうこの時から、生田くん(ゲイツ)は自分のせいになるように全てをセッティングし終わった後なんですよね、、、。
鈴木亮平くんの「アイツの言うことには逆らえなくて」っていう供述も、死んだ奴のせいにすればいい、っていうゲイツの思いを汲んだんだと思いました。
カサ、大事にしろよ、のセリフ。
誕生日おめでとう、の回らない寿司のサプライズ。
(ここでの皆さんが素の友人たちのようで、本当に感動しました)
みんなに会えてよかった。
ゲイツの友達が欲しい、という夢は既に叶っていたんですね。