劇場霊のレビュー・感想・評価
全83件中、61~80件目を表示
『リング』系統とは異なる様式的怪奇映画
シャマラン監督が新作を出すとどうしても『シックス・センス』超えを期待してしまうのと同様、
中田秀夫監督が新作ホラーを出すとどうしても『リング』超えを期待してしまうのが人の性(?)。
しかも今回はあの『女優霊』をイヤでも連想させるタイトルなのだから、
どろりとした粘着質の恐怖、そして直視するも恐ろしい歪んだ怨念の姿を望んでしまう。
が、本作がそういう点での期待に応えた映画かというと、95% NOだ。
僕はかなりビビりな方だが、目を開けられないほど怖い!というシーンは無かった。
だが、なんつうべきか、この映画は「怖くない」というよりは、
「近年のJホラーとは異質な怖さがある」と言った方がしっくり来る。
先ずもって本作は、西洋的な感触がかなり強い。和洋織り混ぜたゴシックホラー路線なのである。
『リング』や『女優霊』を期待された向きはガッカリされただろうが、
「あ、これはこれで怖面白いじゃん!」というのが僕の感想だ。
.
.
.
前作『クロユリ団地』でも印象的だった鮮やかなライティング、
“追跡者の視点” の導入(『13日の金曜日』とかのアレね)など、
怪異の見せ方がストレートかつ人工的なので、『リング』系統の生々しさはほぼ無い。
だがそれでも、観ていて終始ゾクゾクした寒気を覚えるような映画だった。
正直、先週『エベレスト3D』を観た時よりも体感温度が低いと感じたくらい。
西洋の死装束を纏うように、ビニール袋で覆われた人形が椅子に鎮座する様、
一瞬生きているのではと錯覚するほどリアルな人形の表情が大写しになる瞬間など、
(小さな人形に囲まれて首だけ置かれたシーンとかスゲー怖い)
端正な顔なのに、居るだけで澱んだ空気を発するようなあの人形の存在感は素晴らしい。
恐怖の大団円を迎えるクライマックスでの姿もグッド!
非人間的な硬質な動きながら人間的な執念を感じさせる様が実に不気味だ。
怯えるヒロインだけを映してどこからか誰からの悲鳴だけ響いてくるシーンも素敵だし(←素敵?)、
後ろ歩きで関節メキョメキョ鳴らしながら迫ってくるシーンには
顔が引きつった(95%と前述したが、残り5%はココ)、
檻の周りをぐるぐるぐるぐる回るシーンなんて「ひ、ひいぃぃぃ……」って感じ。
.
.
.
恐怖には寄与してないし、台詞の発声が映画的過ぎるあの舞台で客が呼べるかどうかは多いに疑問だが、
実在の殺人鬼エリザベート・バートリを劇中劇の題材にした点も成る程と言った所。
永遠に若くあることに執着した陶器のように美しい殺人鬼と、
生きている人間が羨ましくて羨ましくてしようがない、漆喰で塗り固められた屍。
同時に、女優たちのプライドがぶつかり合う題材としてもしっくり来る。
.
.
.
役者の話が出た所で主演陣についても。
アイドル関連に疎い自分は主演の島崎遥香については
名前と“塩対応”というスラングくらいしか知らないのだが、とりあえず可愛い(笑)。
不器用で生真面目そうなこの役も似合うし(ここだけ読むと高倉健みたいだか)、
背後の気配を感じた際などの目の表情や視線の動きが特に良い。
ホラーの主人公は目の表情が良くないと。
ただ、エリザベートの代役に抜擢されるには執念深さ(と背丈)が足りない感じ。
それと、これは役者というよりは演出だが、人形にトドメを刺すシーンのアイドルっぽい決め台詞と、
アクション映画の主人公みたいなラストカットは「いや、これは違う」と感じた。
そうそう、足立梨花についても。
エリザベートを演じた3人の中では彼女が一番エリザベートにしっくり来ている
と感じたし、純心さと役への渇望とがうまい塩梅に混ざり合った良い役。
監視カメラ越しの謝罪は物悲しかった。
.
.
.
以上!
前述通り『リング』系統の恐怖とは大きく異なるが、様式的な面白さと怖さがある。
これは『恐怖映画』と呼ぶよりは『怪奇映画』と呼ぶべき手触りか。
ホラーには点の甘い自分の言葉ではあるが、観て損ナシの佳作だと思います。
<2015.11.21鑑賞>
.
.
.
.
余談:
ずっと後ろの席に10人くらいの若い外人さん(たぶんブラジル人)が座っていて、
これがまあ上映中にもペチャクチャペチャクチャと郷に入っても郷に従わぬラテンなノリ。
いい加減イライラしたので僕はサッと後ろを向いて「ちょっと静かにしてもらえませんかね?」
とガツンと文句を言う代わりに精神的にノイズキャンセルをかける特殊スキルを駆使しながら鑑賞。
(申し訳無い、2~3人ならともかくそんな人数の外人さんを注意する勇気は無いっす)
で。
映画が終わった後に、そのグループからなんと歓声と拍手が起きた(笑)。
やっぱ西洋的にも親しみ易い恐怖だったんだろうか、この映画。
中田監督もはやこれまで
同監督のクロユリ団地があの有り様なので期待はしてなかったが、予想を更に下回る出来。霊(とも呼べない)は早々に姿を表し、以降頻繁に現れるためか緊張感がなく、身構えても肩透かしをくらうだけ。 ストーリーも進めば進むほど劇場と関係無くなり、駆け足な気味な終盤はツッコミ所を楽しむだけの映画に。
ジャパニーズホラーの終焉
ジャパンホラーはアイドルのプロモーションと化しました。この作品はまさにそれです。 ホラーマニアなら誰もが知っている女優霊の名前を見事にレイプした映画でした。 どこかで見た展開を張り合わせただけ、こんな映画で喜ぶのはAKBのファンだけです。 今年NO1の駄作でした。 ホラー好きの方は見に行かない事をオススメします。
ホラー初心者に是非
ホラー初心者にはうってつけの作品だと思う。 ただ、ホラー好きにはだいぶ物足りない感があります。 それに夏の季節に公開していたらいろんな意味でホラーですけど この季節なのでカップルで手を繋いでみるのもいいかもしれません。 わくわくドキドキ感もあってあっという間に見られるし 4DXでも上映してるので『楽しめるホラー』してはなかなかの 映画だと思います。 アイドルやイケメンの若手の俳優陣が出演していますが、 物語を邪魔することなく見られますし、この劇場霊が出世作には ならなくても今後の作品に期待できる俳優陣かなと思います。 個人的には島崎さんと町田くんに期待大です。
独特の色彩を持つ不思議な作品
デジタル全盛の時代にフィルムで撮影されている為か、独特で奥行きのある、まるで、アナログレコードを聴いているかのような作品。 これはホラー映画としてではなく、アンティークの小物を眺めるように鑑賞したい。主演は島崎遥香。アイドルで、しかも初の主演作という事で、正直期待していなかったが、なかなかの好演技で、いい意味で裏切られた。彼女をまた見たいと思わせる物を持ち、次回作にも期待が持てる。4DX対応作品とのこと、明日また映画館に足を運んで見ようと思う。
島崎遥香の絶叫のシーンはすごかった
この映画はリングのようなホラーではないですね。 監督のいうジェットコースターホラーというか怪奇モノとして面白かった。(昔の大映ドラマみたいにいろいろ突っ込める部分も 笑) 主演の所属するAKBにもありそうなドロドロとした人間関係もストーリーを手助けしています。 島崎遥香の絶叫シーンはすごかったです。
笑うしかない
女幽霊再来ならずw 脚本がダメでも観せ方で恐怖感を出してくれるんじゃなかろうかと淡い期待も粉砕され、クライマックスに至っては声を出して笑ってしまう始末、一緒に場内で鑑賞してた方にはご迷惑おかけしました てか中田さんの過去の栄光を自ら汚してしまったのは悲しいかぎり、もう引き出しが枯渇気味なのかなぁ 全然関係無い所ですが、主役が決まる度にコロコロ変わるチラシやポスターが個人的にツボでした てかタイトルが既に間違ってるじゃん
〝女優”の持つ本当の恐ろしさ。直球だが緊迫感のあるホラー。
【賛否両論チェック】 賛:舞台上で交錯する女優達の愛憎劇が、人形の怨念と相まって、緊迫感たっぷりに描かれる。劇中劇と人形の生い立ちが重なる様子も印象的。 否:割と強引でご都合主義な展開が続くので、ツッコミ始めてしまうと全く楽しめない。 強い怨念の籠った人形が、劇中劇よろしく女優達の魂を蝕んでいく様子が、スリリングなストーリーと共に描かれていきます。それに加えて、女優達の主演の座を巡る激しい愛憎が交錯していく様も如実に描かれていて、人間の持つ醜さや浅ましさが、垣間見られます。 まあただ、どうしてもツッコミどころが多いのは、仕方のないところでもあります。あまり言うとネタバレになってしまいますが、 「大の大人が沢山いて、刑事もいるのに・・・?」 なんて思ってしまった日には、すっかり興ざめしてしまうかも知れません(笑)。 何はともあれ、そこまでのグロい描写もありませんので、怖いもの見たさでご覧になってみるのも、アリかと思います。
率直に人形霊の方が。
先程観賞終わりました。中田監督らしいホラーかな。普通に自分は楽しめました。ただ島崎?だっけ?主役?彼女の演技はちょっと気になったかな。何作か女優としてこなした後でこの作品をやってもらいたかったな。劇場霊だと??って感じ。素直に人形霊にした方が良かったよね。
ホラー映画ぽくなかった
主演の島崎遥香さんはアイドルぽくなかった。もう少し映画の現場や台詞まわしが上手くなると女優らしくなるのでは。
ホラー映画としては、余りホラー要素が少なかったので、ホラー映画が苦手な人でも大丈夫かな。と言う印象です。
中田ホラー終了。
やっぱりズッコケた。 題名にまず偽りあり。劇場じゃないし。これじゃ、長女が可哀想。こんな理由で幽霊扱いされて。 おまけにマネキン全然怖い顔してない。 後半はやっぱりギャグ。もう笑いが止まりません。 女幽霊が大評判だから期待したんだけど…超駄作でした。
全83件中、61~80件目を表示