ベツレヘム 哀しみの凶弾のレビュー・感想・評価
全5件を表示
イスラエル目線である、まずはそこから。、
映画や監督の背景は一切知らずにパレスチナ 見たさに、感情した。とはいえ、イスラエル映画であり、パレスチナ を扱うものということだけ事前に押さえておく。哀しみの、とくれば西岸、ベツレヘムともちろん哀しみの街てしかない。
2014年の作品。タイトル原題はベツレヘムとなっているようだ。
ヨルダン川西岸ベツレヘム、イスラエル軍に制圧されており、多くのアラブ人(パレスチナ 人)とイスラエル人そしてイスラエル軍がいる。最近はパレスチナ 問題詳しく勉強してないのでよくわからないが、とにかく複雑危険緊張マックスな街。
最初、なんでか知らんけどイスラエル人になついて、イスラエルのスパイになっている少年、その子を親身に任務とはいえ利用目的とはいえ心を通わせるようにまたスパイとして育成中のイスラエルの軍人、というシチュエーションに騙されそうになったが、基本的にはイスラエル人イスラエル国家イスラエル軍の視点に立つ映画だとすぐ切り替えた、なので本作品評価の星は少ない。これはしかたなきこと。
アルアクサと、ハマスで英雄の遺体の取り合い、パレスチナ政府が進める停戦を阻止するため仲間を階段から突き落とす、などはネチネチとしっかり描かれており、パレスチナ 人の間にはもちろん長年の苦難の中で仲間割れもありそういうこともあるでしょうよ、と思いつつも、強大な国家とその国家による暴力装置に守られたイスラエル人は個人としての正義も国の正義もそのまま一つになっている、ならざるを得ない、そこから少しでも個人の正義、哀しみとか心の領域にぶれていくとこっぴどくやられるけど、、、
ということで、しかしながらベツレヘムのような複雑な土地に細々とかつかつに暮らすパレスチナ 人、日々の闘いや暮らしはこんな風なのか、すこしはリアルもうつしだされているだろうからやはりそこは興味深い。
アラブ語を好んで使いアラブ人とも親しくする主人公の男、しかし正体が分かればアラブ人パレスチナ 人には敵、
一貫して武器なきものとフル装備軍隊の格差ある勝てない戦いと貧富の差と支配と被支配と、それに疑心暗鬼人や仲間や大義への裏切り、という暗い内容。コードネーム イサウくんを利用した主人公のイスラエル人の男はイサウを、ハビビと呼び愛情を見せるようなシーンが随所だが所詮イスラエル軍の暴力装置の中での振れ幅である。ハビビなわけない。だから最後までハビビに殺される。
ベドウィン、砂漠の遊牧民は今でも必要か、とアルアクサの指導者にファタハ(パレスチナ 政府)の偉そうな政治家が言うのも辛辣極まりない、が、これもやはりイスラエルの都合イスラエル目線でもあるので、この作品には限界がある。
とてもよかった
戦争と家族と地域のコミュニティが密接過ぎる感じがとても伝わる。
お兄さんが死ぬ場面の前で見るのを中断して1日開けて続きを見たら、話がよく分からなくなってしまった。それでもお兄さんが殺される場面は容赦がなく、すごかった。イスラエルの諜報員を殺すクライマックスで主人公が散々迷っている感じも痛々しかった。若者がああして心に傷を負っていくのかと思うとつらい。
登場人物の見分けがあまりついていないし、話がとても入り組んでいた上に、中断してしまったためあまり理解できている気がしない。機会があったらまた見返したい。多分傑作だ。
これが現実。恩と恨みを併せ持った末の、哀しき決断。
【賛否両論チェック】
賛:パレスチナに暮らす人々の、等身大の姿をあるがままに映した描写がリアル。これが現実だと言わんばかりに、打ちのめされる。
否:日本人からすると、やや登場人物の判断がつきづらくて、話を追うのが大変かも。
普段なかなか知ることが出来ない、イスラエルやパレスチナの治安維持の実態が、非常にリアルに描かれていきます。そこには、〝同胞を売るスパイ”という、決して綺麗事だけでは片づけられない残酷な現実がありました。軍の部隊が屋内でイブラヒムと交戦しつつ、外では暴動を起こす市民とも戦わなくてはいけないというシーンなんかは、日本では考えられないような悲しいシーンです。
グロい描写はかなり抑え目なので、平和について改めて考える、良い機会になりそうな作品です。
痛むのは傷?それとも…。
ユダヤv.s.パレスチナ、諜報部員と情報屋の少年の揺れ動く関係性。
個と個であれば受け容れ合えるかもしれないのに、家族、民族、国家、宗教…。より大きなマスに個人は呑み込まれるしかないのだろうか?
今尚厳しい現実と対峙している地で、その現実から目を逸らすことなく物語を紡ぐ、その意気たるや、と感嘆。
全5件を表示