「メッセージ性のあるB級」パラサイト・クリーチャーズ MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
メッセージ性のあるB級
氷河が溶け出したことで、今まで発見されなかった未知の微生物が地表に出現し、それが怪物を生むという現実味の無いB級一直線の作品。宿主となる生物を含む、その生物と接触した生物のDNAを取り入れた、ハイブリッド種を生んでしまう。そのため、ヤギ+昆虫(クワガタ?)や、キツネ+ハエなどのおぞましい怪物らが湧いて出てくるように現れる。
なぜそうも凶暴になるのかは謎だが、気持ち悪いところはしっかり気持ち悪く、低予算ながら工夫も見られる。怪物がヘタなCGとかで描くよりも、VFXを用いている点も好感触だ。
登場人物らも年齢層は比較的上ということもあり、はっちゃけたシーンは少なく、真面目に未知の脅威との対峙を描いている。
どうも「遊星からの物体X」とカブるが、多少は意識しているだろう。しかし、本家は宇宙からやって来た部外者の仕業に対して、本作のこの惨劇を生んだのは紛れもなく人間。それは随所で描かれるため、やや現実味を帯びて怖い。
これが現実になるのはほぼあり得ない話だが、実際に氷河の層は何千年も前のものだったりもする。温暖化が進み、氷河がほとんど溶けてしまった際、氷の奥で眠っていたウイルスや細菌、微生物が人間に猛威を振る可能性だって考えられなくもない。
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