「当たり前の日々の大切さ。“感情”の持つ意味とは。」ギヴァー 記憶を注ぐ者 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
当たり前の日々の大切さ。“感情”の持つ意味とは。
【賛否両論チェック】
賛:日頃忘れがちな“感情”の重要性に気がつかされる。色彩の使い方も新鮮。
否:ストーリーそのものはツッコミどころが満載で、尻すぼまりな印象。割と説教染みた主張にも、好き嫌いは分かれるか。
設定は「ダイバージェント」や「ハンガー・ゲーム」等にも通じるところがありそうな、結構ありがちな感じですが、本作は色の使い方がステキです。色彩を知らないということで、最初は画面もモノクロなのが、イイ味を出しています(笑)。当たり前すぎて普段は気にもかけない、“感情”というものの大切さに、改めて気がつかされます。人間には感情があるから、怒り、憎しみ合ってしまいます。しかし同時に、感情があるからこそ、お互いを愛し、思いやることも出来る。そんな純粋なことを、本作の設定がストレートに投げかけてきます。
「感情を持てないなら、生きてる意味はないよ。」
というジョナスの言葉や、
「痛みのない人生に、本当の価値はない。」
というギヴァーの言葉が、身に染みます。
お話そのものは結構難解というか、ツッコミどころは満載な感じで、終わり方もかなり尻すぼまりな感はありますが、人間性について深く考えさせられる、そんな作品です。
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