「飛び去れない天女の漂泊」0.5ミリ グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
飛び去れない天女の漂泊
介護ヘルパーの職分を越えて派遣先の家族と関わったことから事件に巻き込まれ、失業したサワちゃん。
奇妙な押しかけヘルパー生活が始まります。
スキをついてスルスルとヘルパーとして居ついてしまうサワちゃんの調子の良さが可笑しい。
サワちゃんはおじいちゃんの前に舞い降りたメアリー・ポピンズ、天女さまのよう。
だけど、飛び去るわけにもいかない彼女の漂泊は心もとなくて。
三時間を超える作品ですが、始まってみるとゆるやかな良い感じのテンポで時が流れて、苦にはなりませんでした。ただ、中盤が丁寧すぎて、終盤が活かしきれなかった感じもしました。
達者なベテランがしっかり脇を固めているものの、サワちゃんを演じる安藤サクラの作品だと思いました。
ここ数年、一つ星として輝き始めた彼女は、いつくしみ深い天女の顔も、血の通った女の顔も見せてくれます。
そればかりか艶かしい天女の脚も、えらく力強い女の脚も。
別人かと凝視してしまったよ。その変化は、たぶんサワちゃんの中にあると思います。
サワちゃんの衣裳が印象的で良かったです。ずっと着ていた服も、ファストファッションの天女さまにふさわしいなあと思いました。
2015.1.24. 福山駅前シネマモード
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