劇場公開日 2014年11月8日

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「ワンピースを赤色に染めた意味」0.5ミリ ちんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ワンピースを赤色に染めた意味

2024年7月11日
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鑑賞方法:VOD

安藤さくら祭りでした。
「百円の恋」を観て、もっと安藤さくらが欲しい!となり、そのまま本作を見ました。

◾️映画全体の感想
3時間の長さを感じさせない良い映画でした。私は好きでした。
安藤さくらには全く色気は感じないのに、なぜか爺さんを相手にしている時はなんとも言えない興奮しない色気を感じてしまう。
全体的に大きな盛り上がりはないけど、押しかけヘルパーをする中で、他人の人生の最期に立ち合い、サワ自身も自分の人生を考える、という印象でした。

誰にでも人生の中で言いたくないことや言えないことはあるのでしょう。
(サワ自身も子宮を無くして、女としても価値がないとカミングアウトしていました。)
サワはそこにそっと寄り添ってくれる感じが良いと思いました。

◾️白いワンピースを赤色に染めた意味
マコトの母・雪子は自分が着ていたワンピースをマコトの誕生をきっかけに赤く染めました。
雪子はサワには、赤色が好きだからと言っていましたが、マコトが母・雪子と祖父の間の近親相姦による子だったことを踏まえれば、もっと違う意味があるのだと思います。
マコトにワンピースを引き継ぎ、赤色に染めることで、女性として生きてほしい、自分とは違う人生を歩んで欲しいと願った、過去との訣別的な意味合いなのか思いました。

◾️100万円で泣いた意味
押しかけヘルパーで相手にした爺さんたちはみんな人生の最期でいなくなってしまう。
サワが自分自身がそこにいた証は、本来爺さんたちの記憶なのだが、みんな死んだり、ボケたりしてしまう中、爺さんからの100万円が見つかり、自分がそこにいた意味を見出せたのかなと思いました。

ちん
R41さんのコメント
2024年8月1日

いつもありがとうございます。
すばらしい考察参考になります。
隠し扉の多い作品です。
ユキコの自殺 それは、赤い服とともにあったのかもしれません。
確かに赤い服はマコトのために染めたのだと思います。
しかしマコトはユキコの手でLGBTにしてしまいます。
それでも希望としてあったのが赤い服なのでしょう。
同時にユキコの希望が潰えたのかもしれません。
100万円 嗚咽の意味は確かに謎です。
基本的に私が見落としているのでしょうが、材料不足は否めないと思いました。

R41