「坂田利夫さんを偲んで アホ・おぼえていますか」0.5ミリ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
坂田利夫さんを偲んで アホ・おぼえていますか
お笑い芸人の坂田利夫さん
12月29日に老衰のため大阪市内にて82歳で他界
安藤桃子監督作品脚本作品初鑑賞
2014年公開作品
3時間16分
長いけど苦痛じゃない
映画館で椅子に座っていたらお尻が痛くなるだろうがベッドで横になりながらスマホで鑑賞したので特に問題はなかった
でも映画館で観たかったな
さすが映画.comオールタイムベスト1200に選ばれるわけだ
妹サクラが主演
プロデューサーは父奥田瑛二
フードスタイリストに母安藤和津
親馬鹿である
安藤家の映画と言っても過言ではない
ついでにサクラの夫の両親も出演している
訪問介護施設をクビになった山岸サワは訳あり老人を見つけては押しかけなんとか生き抜くハートフルコメディー
粗筋
片岡家で訪問介護をしていたヘルパーの山岸サワは片岡家の主婦に頼まれ主婦の父である寝たきりのお年寄りと添い寝をすることに
なんやんかんやでストーブが原因で家は火事になり法令違反でサワはクビになり寮を出ることに
家族がいない実家もないサワは困ったことになった
とりあえず受付と押し問答をしていた老人と飛び入り参加でカラオケ店にて一夜を明かしたサワ
老人にカラオケ店の食事やビールを奢らせて翌朝には一万円札のお小遣いを頂き味をしめるサワ
今度は駐輪場で他人の自転車をパンクさせている老人を目撃したサワ
なんやかんやでその老人石黒茂と二人暮らしを始めることになったが茂は娘夫婦の勧めで老人ホームに住むことに
茂の愛車で年代物のいすゞクーペをもらったサワはショッピングモールで本を万引きしていた老人を目撃
なんやかんやでその老人真壁義男の自宅に住み込み義男の寝たきりの妻を訪問介護の浜田と交代交代で面倒をみることに
料理上手で義男に気に入られたサワを疎ましく思った浜田は義男の姪に「愛人に義男を取られる」と告げ口
姪の久子が早速やってきて真壁夫婦と同居し管理することになりサワは少しばかりの謝礼を頂きお払い箱に
再びいすゞクーペであてなき移動することになったサワだったが駄菓子を万引きをしていた片岡家の息子マコトと再会
息子が生まれる前に妻と別れた佐々木健は妻の死後に会ったこともないマコトを一応父の役目として預かることに
なんやかんやで佐々木親子の自宅で居候することになったサワ
舞台は高知県
高知も関西弁らしい
詳しくないが高知出身の広末涼子がとんねるずの番組で証言していたから実際そうなのだろう
坂田利夫がいい味を出している
一人芝居が特に良い
真壁義男が山岸サワを連れて高知シネマという映画館に行ったが鑑賞した作品は父の奥田瑛二が監督主演を務めた『少女 an adolescent』
濡れ場でおそらく喘ぎ声はヒロインの小沢まゆ
義男は顰めっ面で鑑賞していたがサワはなぜかニヤニヤして笑い声をあげ途中退席
自分も以前DVDで鑑賞したが久しぶりにまた鑑賞してレビューを書きたいと思う
ちなみにヒロインを務めた小沢まゆは最近見かけないと思っていたが結婚し育児のため休業していたようだ
数年前に俳優業に復帰し自分も一昨年3月DVDで鑑賞した『左様なら』にも亡くなった女子校生の母親役として出演していたようだがあの彼女だと気づかなかった
老人に深く関わってきたサワだが終盤は反抗期の中学生マコトと交流を深める
マコトの母からもらった赤いワンピースが後々になって生きてくる
なぜか母のワンピースを着るマコト
ラストでサワはクーペを運転手赤いワンピース姿のマコトを助手席に乗せて海沿いの道を走っていく
片岡家の墓参りに行くのかな
サワに子宮がないエピソードは必要だっただろうか
その疑問点がマイナス0.5
配役
片岡家の火事などの件もあり職場をクビになり寮も出ることになった料理上手で少々気が荒い介護ヘルパーの山岸サワに安藤サクラ
サワに無理なお願いをした挙句に首吊り自殺をしてしまう専業主婦の片岡雪子に木内みどり
寝たきりで余命わずかな雪子の父の片岡昭三に織本順吉
反抗期で無口な中学生の雪子の息子の片岡マコトに土屋希望
元妻の死後に息子のマコトを預かった佐々木健に柄本明
元海軍で自称現役教師の真壁義男に津川雅彦
寝たきりのため要介護の真壁静江に草笛光子
真壁家に訪れる介護ヘルパーの浜田に角替和枝
義男の姪の真壁久子に浅田美代子
自動車の整備士をしていた自転車泥棒の常習犯で一人暮らしのお年寄りの石黒茂に坂田利夫
茂の知人でインチキくさい投資話を持ちかける斉藤末男にベンガル
喧嘩が絶えない息子夫婦がうるさくて宿泊目的でカラオケ店に訪れるお年寄りの康夫に井上竜夫
カラオケ店で受付をしていた店員に東出昌大