ミルカのレビュー・感想・評価
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個人的No1インド作品
原作名 直訳で「走れ、ミルコ、走れ」。インド、パキスタン分離化後にオリンピック400m走で素晴らしき記録を出し続けたインドの英雄、ミルコ・シンの物語です。いやあ、インド映画、とてもとても見直しました。独特の音楽にのって踊りまくるインドミュージカル映像が延々と流れる従来のインド映画のイメージがガラッと変わりました。実話に基づいた作品だからか、はたまた主人公の演技が素晴らしいのか、とてもとても引き込まれました。私が大好きな作品で実話に基づいたスポーツ作品、「インビクタス」を観た時と同じ位の感動がそこにある。物語の背景に有るインド、パキスタン分離化による悲劇。ドイツ、朝鮮等分裂した国家によって起きた悲劇は様々な作品として映像化されてきたが、正直インド、パキスタンはあまり意識、興味がなかった。しかしこの作品ではその部分がキーにもなっており、私は恥ずかしながらあまり良く知らずに反省。そう言う意味では日本は、単一民族、とても幸せを感じます。
さてこの作品には個人的にには大きなテーマが2つあると思う。
1つは貧困の中からスポーツと言う体一つで英雄へと成り上がる立身出世ストーリー。
2つ目は自分の中に抱えるトラウマをどう克服するかのストーリー。
前後半にていくつかのサイドストーリーを絡ませながら物語は進んでいきます。
決してメジャーではない400m走と言う競技の中で第1人者となったミルコ・シン。恥ずかしながら知らなかったけど、それでもぐいぐいと引き込まれました。主人公演じるファルハーン・アクタルは中々のハンサムでシーク教徒特有の長髪をターバンで巻き髭面なんだけどウルヴァリン演じるヒュー・ジャックマンを彷彿とさせる。全体的にあまりインド、インドしてなくて良い。もちろんだが歓喜の際に踊り出すインド人の特徴も所々に挿入されてますが控えめ程度な所が好印象ですね。国家間のいがみ合いや紛争を忘れさせるスポーツの素晴らしさ。皆さんにも一度見てほしい作品です。
よかった
速く走るのがとても気持ちがよさそうだった。オレは足が遅いので羨ましかった。誰よりも速く走る、しかも金メダルをとったり世界新記録を出すというのは一体どんな気分なのだろう。誇らしかったり、調子に乗ったりすることに一切ためらいがなくとても楽しそうだった。
メルボルンで女の子と遊び狂って調子を崩したのも、それはそれで楽しそうだった。あそこで人生が終わっても悔いがないくらい楽しそうだった。誰よりも足が速くて、きれいな女の子が優しくしてくれて、海で一緒にはしゃいで遊んだらそれ以上のことなどあるのだろうかとすら思った。
ただ、天才の話でオレとは無関係な他人事としか思えず、ただうらやましいだけだった。生い立ちにとても悲しい事件があってそこは同情するのだが、オレ自身そこまでつらい思いをしたことがないのでやっぱり遠い国で別の時代の身近じゃない人の話で、なんら実感が湧かなかった。
難民キャンプで大人に逆らったり蒸気機関車から石炭を盗む場面がすごくよかった。あの負けん気の強さは素晴らしい。見習いたい。
インド映画はリアリティの基準がゆるすぎる映画が多く、ちょっと苦手なのだが、この映画はかなりしっかりしていてよかった。
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