「犬もいいぞ。」映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
犬もいいぞ。
アードマン・スタジオ製作の「ウォレスとグルミット」のスピンオフ、
TVアニメシリーズとなった「ひつじのショーン」から初の劇場版。
綴りは違うけど(彼はSHAUN)、一応自分もしょーんと名乗っている
間柄?(勝手に)だけに観に行かないわけにはいかないと思って鑑賞。
結果はブラボー♪ブラボー♪今のところ、洋画では今夏一番の出来と
いってもいい程楽しめる作品だった。ちなみに地元のシネコンでは
満席続出で初日はレイトショーまで空きがなかったようだ^^;凄い。
EテレのTVシリーズは見ていない。子供達が大ウケしても大人は
楽しめるかどうか?なんていう心配は一切無用。むしろ大人の方が
色々感極まるところが続出。それは、ショーンの愛らしさは元より、
しっかりしたストーリー構成にある。単純な冒険モノに過ぎない話
なのだが、飼い主(ここでは牧場主)と番犬(牧羊犬)と家畜(羊たち)が
どれだけ深い関係で結ばれているかを改めて知るいい機会となる。
一切台詞のない脚本ながら、観客は登場動物人物のココロを理解し、
なぜ彼らがその行動に出たのか、次は何を仕掛けるのかと興味津々。
ほんのイタズラ心で牧場主をトレーラーに寝かせて自由を満喫する
ショーンたちだったが、トレーラーが都会へ暴走して行ってしまう。
何とか生活しようと試みるも、牧場主がいなくては彼らは食う物に
も困る、というわけでレッツ・ゴー!牧場主連れ戻し作戦!となる。
彼らの冒険や作戦にプーッと吹き出したり、なるほどと感心したり、
あるあるネタや、可愛い小仕掛けなど、人間さながらに作戦を練り
あらゆる手段を経て主を元へ戻そうとするショーン達の奮闘がいい。
愛し愛されていなければここまで真剣にはなれないぞ!というのが
随所に漲り、やっとの思いで主を探し訪ねたショーンが、気付いて
貰えず大粒の涙をポロポロ流すところ、彼らを助け続けた野良犬が
幸せを見届けて黙って去るところなんか人間でもこの演技は難しい。
よくぞやった!と、こんなしょーんですけど感動させて戴きました。
まるで大脱走を思わせる背後のスコアも最高に素晴らしい。幸せだ。
(何たってあの張り犬!あの表情!あのインパクトはサイコーだよね)