「派手なエスピオナージではありません。」誰よりも狙われた男 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
派手なエスピオナージではありません。
今年(2014年)急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の作品。
ジョン・ル・カレの同名の小説が原作。ジョン・ル・カレの原作を下にした映画といえば、『裏切りのサーカス』がある。この『裏切りのサーカス』は、ものすごく静かな
淡々とした雰囲気で話が進んでいったが、この作品も同様。そういう意味では、好きでないと、途中で飽きてしまうかも。
さて、この作品と同じエスピオナージを描いた映画といえば、ジェイソン・ボーンシリーズがある。そのジェイソン・ボーンシリーズは、非常にアクションが派手な作品である一方、この作品はその対極にある。スパイ活動は人目につかないことが原則なので、どちらがより本当らしいかといえば、こっちの方が、より本当なのかな。
加えて、舞台がドイツというのも、非常に興味深い。その国家の成り立ちと、地理的位置から言って、ドイツにおけるスパイ活動というのは、やっぱり激しいんでしょうね。これが、9.11以降の現代の話であるというのは、あまり信じたくはないですが・・・。って言うか、昨今の世界情勢から言って、より激しくなっているのかな。
先にも記しましたが、激しいアクションシーンを期待すると外されます。より暗い、人間の暗部を照らしだすような作品です。
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