レクイエム 最後の銃弾のレビュー・感想・評価
全10件を表示
漢節
題材的にも内容的にも特別目新しくは無い。が、
『男たちの挽歌』『インファナル・アフェア』などが好きならドンピシャの、香港ノワール・アクション!
幼馴染みであり、麻薬捜査官のマー、ソー、チャン。
彼らはタイの麻薬王ブッダの逮捕に命を懸け、遂に追い詰めたと思われたが、情報が漏洩し失敗、チャンが犠牲になってしまう…。
5年後、ブッダが絡む抗争が勃発。
左遷させられたマー、出世したソーの前に、死んだ筈のチャンがブッダの組織の一員として現れ…。
まさに香港ノワール・アクションのいいとこ取り!
展開はスリリング。犯罪捜査モノ、潜入捜査モノの醍醐味、面白味。
銃撃、カーチェイスなどアクションは幾度も見せ場を設け、特にヘリからの攻撃はド迫力!
苦悩。潜入捜査官のソーと、彼の身重の妻のドラマは悲痛。
あるシーンの究極の“選択”。生き残るより地獄。
裏切り、復讐。まさかの展開…。
それらも見応え充分だが、だけど本作はやはり、男3人のドラマ。
リーダーのマー、潜入捜査官として常に危険な渦中のソー、板挟みになりながらも間を取り繕うチャン。
3人はそれぞれの立場から何度も何度もぶつかり合う。
しかし一旦ぶつかり合うと…、男ってそういうもんだ。
だからこそ、友を失った時の悲しみ、まさかの再会の衝撃は計り知れない。
チャンが生きていた理由…。ちょっと突っ込まずにはいられない。
そこら辺の和解など、かなり強引。
ブッダとの決着。銃撃の嵐の中を、3人の思い出の歌に乗せて。
コテコテ、ベッタベタ。でもね、こんなにもどっぷり見せられると何も言えなくなるのよ。
何よりも濃い3人の友情。
熱い男気…いや、漢気。
男なら、この漢節に酔いしれろ!
幼馴染で警察学校の同級生、ティン、チョウ、ワイ。頭脳明晰で出世街道...
幼馴染で警察学校の同級生、ティン、チョウ、ワイ。頭脳明晰で出世街道を行くティン、妊娠中の妻を気遣いながら麻薬組織潜入に身を投じるチョウ、そして何の取り柄もないが控え目で心優しい母思いのワイ。タイの麻薬組織のボス、ブッダの情報を入手した3人はバンコクに入りタイ警察と連携してブッダの一味をおびき出すことに成功したかに見えたが、まさかの反撃で3人以外は全滅、ブッダの娘を拉致して逃亡を図るが追い詰められ、「助かるのは2人まで」と迫るブッダとの取引でティンは残酷な選択を迫られる・・・。
冒頭からノワール臭ムンムンの本作。何かというと子供の頃に観たTVドラマの主題歌を合唱する、魂だけはいつまでも子供な3人が己の運命に翻弄され、友情を裏切った罪の意識に苛まれ、そして全てを投げ打って友情の為に命を賭す姿が涙でかすみます。
バンコク郊外の麻薬取引現場への空爆シーンが戦争映画並みにド派手で、クライマックスの銃撃戦を凌駕。タイでならこんなムチャな撮影まで出来るのかと驚嘆しました。
男の友情
潜入捜査に疲れ意固地になるチャウ、ボスに辿り着けるまでやめる気はないというティン、そんな2人を宥めるワイ。そんな3人の幼なじみの友情と、彼らの戦いのお話でした。
少しずつ狂い始める3人の人生だけでなく、ワイやチャウの家族との関係性も物語を盛り上げる重要な要素だったと思います。
特に、仕事に打ち込むチャウと妻のすれ違いは、とてもリアルに描かれていたと思います。
3人の車でのぶつかり合いは迫力ありました。正面からいくのかと思いきやクロスカウンターの如く上手いことぶつかるシーンは、好きな所の一つです。
"キックオフ!"の掛け声で始まる、3人対大勢での銃撃戦は本当に興奮しました。お互いカバーしあいながら倒していく様は爽快です。
ラストシーンでは、思わず泣いてしまいました。エンディングの歌も良いですね。
悲しいけれど、とても良いお話だと思います。
ベニーチャン
ラウチンワン、ルイスクー。2時間を超える香港映画はロクなもんじゃない。タイまでのくだりはそれなりなのだけれど、あとダラダラ1時間続く。アランマックとか、アンドリューラウとかに比べるとだいぶ良いのだけれど。タイ麻薬王の息子と娘の死に方が滑稽で笑えて、ちょっと香港っぽい。
仁義なき香港ノワール
「インファナル・アフェア」的なスタイリッシュさよりは、ベニー・チャンらしい派手なアクション風味が強めな印象。主要登場人物の造形もさほど捻じ曲がっておらず思いのほか素直だし。おかげで見やすくもあり、食い足りなくもありといったところ。もう少し、どうしようもない屈託をぐずぐずと描いてくれてたらなあとは思うけれど、そこまで望むのは贅沢というものか。ともあれ、なかなかの拾い物だった。
ルパンも言ってた「男の美学ぅ〜」
大好きだけど、完全に「男の子向け」の系譜の一本。
申し訳無いけれど、大好きなこの(手の)作品を女子に伝える術が自分に無い未熟さ。
ふた昔前に蔓延った「◯◯なワタシ」系の作品を、男子に観させるより難しいんじゃないだろうか。
まぁ…
なにはなくとも「ラウ・チンワン」!
彼が主演を張ってるだけで、クオリティは保証済み。
そしてやはり「この顔」が、主役から排除される日本映画の薄くなった懐を思い知るばかり…涙
胸アツな、いや暑っ苦しい男(「漢」とはちょっと違う)の友情物語。
野郎同士で、ガッツリ観るべき作品。
桃園の誓い
期待してなかったけど面白かった。
ジャケットに「インファナルアフェア」を継ぐ純正「香港ノワール」と書いていて自らハードル上げてるなぁと思ったけど悪くなかった。ただ、インファナルアフェアとは色が違って銃撃戦なんかはアクション映画な過剰な演出に目が行った。3人の友情と絆、ラストへの伏線も分かりやすくて良かった。ツッコミどころもあったけど、男気全開のアクション映画だと思えば許せた。
男気全開!
この映画は、麻薬組織撲滅に命を懸ける、志と友情で結ばれた3人の警察官の男気溢れる熱いドラマを描く。
香港ノワール物と言うと、「男たちの挽歌」や「インファナル・アフェア」があるが、その系譜を継ぐ本作品には、ラウ・チンワン、ルイス・クー、ニック・チョンという香港人気映画スターたちが揃い踏みしている。
このスター俳優たちが演じるのは、麻薬捜査班リーダー・ティン、潜入捜査官のチャウ、そしてこの2人をアシストするワイ、3人は息の合ったチームワークで捜査を進めていく。
ところが、彼らの捜査線上に浮上したタイの大物麻薬王ブッダを逮捕しようとした矢先に思わぬ綻びが生じて失敗し、彼らは疑心暗鬼と裏切りで信頼も友情も空中分解してしまう。
この大物逮捕劇のシークエンスは、タイ軍隊の協力もあり、スケール大きくど派手に展開していて、前半の山場になっている。
この山場を境にバラバラになった彼らは、夫々の置かれた状況の中で歩み、そして5年後劇的に相見える。
心もバラバラになっていた彼らが衝突し合いながら自分の思いを吐露し、再び分かり合える展開が心に沁みる。
再び固い絆で結ばれた彼らの決死の戦いに言葉はいらない。
硝煙弾雨の中、彼らの意気地と男気が炸裂する。
果たした彼らは本懐を遂げることが出来るのか?
このところ軟弱な男が持て囃される昨今、突っ込み所も多少はあるものの、男臭くて骨太、硬派で渋い男たちのドラマに酔ってみるのも良いかもしれない。
全10件を表示