「華麗なるブラック。」100歳の華麗なる冒険 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
華麗なるブラック。
タイトルから100歳老人が繰り広げる冒険感動モノかと思いきや、
色んな意味で裏切られる作品。やや好き好きは分かれそうだ。
普段からブラックテイストに馴染んでいるなら問題ないけど、
淡々と予期せぬ殺人が起こるので笑うに笑えない可能性も大。
100歳の誕生日に老人ホームを抜け出したお爺ちゃん。実はこのヒト、
元・爆弾専門家っていう、かなり危ない活躍をしてきた有名人だった。
子供の頃から爆弾爆発の快感に目覚めてしまい数々の爆弾を製作、
実験中に誤って人間の首をふっ飛ばしたりもする(ここ笑うところです)
全編こんなテイストの物語。ちなみにコメディと銘打っているので、
飄々としたお爺ちゃんの「人生なるようにしかならない」という感性で
観ていくのがお薦め。突然ギャングの裏金を渡されてしまっても、
事の重大性を理解しない寛容なマイペースでこのお爺ちゃんは進む。
スウェーデンと聞くと、なんか平和でゆったりしたイメージが強いが、
この作品を笑い飛ばせる余裕こそが最もすごい国民性かも^^;
ちなみに原作は本国でベストセラーだそうだ(未読なので何ともいえない)
例えば一夜復活した「モンティ・パイソン」なんかもブラック度で私は
大好きなシリーズなんだけど、過激描写でいうならこっちの方が上!
笑いの暴力に疎い平和笑行の日本人が老人の行動に笑えるかどうか。
で。肝心の面白さでいうとこの辺りがいちばん微妙…。
映像も登場人物の動きもスローで(老人だからねぇ)分かりやすいが、
エンターテインメント性に欠けていて、盛り上がりが殆どない。
冒険というからにはどうなるんだ!?というハラハラ感が付きもの、
お爺ちゃんが追われる度に危ない場面が挿入されるのだが怖くない。
かといって笑えるほどでもない。微妙なさじ加減が鑑賞者側の感性を
刺激するかどうか。私的にもっと笑い飛ばせる行動が観たかったな。
(世界の要人と渡り合った?過去。爆弾という皮肉も効いているけれど)