「三者三様の。」グラスホッパー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
三者三様の。
原作を読んでいないので、劇場予告通り鈴木(生田)主導の物語だと
思っていたら、殺し屋二人の話が深く絡んでくる。絡むといっても
鈴木と絡むのではなく、そっちはそっちの話。ラスト近くで二人と
すれ違う鈴木を「アイツ誰だ]と言うのが妙に新鮮でウケてしまった。
小説ではそれぞれが語り手となるらしい。あぁこれは小説で読んだ
方が確かにより面白そうだな、と思った。婚約者の復讐の為に組織
へ潜入した鈴木が巻き込まれていく世界。そもそも事件の交差点に
謎の手紙が降ってくるあたりでもう大体の察しはつく。なによりも
いちばん恐ろしかったのはハロウィン後の渋谷が舞台になっていて、
日本人の脳裏でお祭り騒ぎが一転、もしこんなことが起きていたら!
という殺気に襲われるところだ。現在の世情に絡めたところが巧い。
(個人的には岩西の印象がいちばん強い。痩せたカマキリにピッタリ)
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