劇場公開日 2015年11月7日

「普通には楽しめたが、微妙にスッキリ出来ない」グラスホッパー スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0普通には楽しめたが、微妙にスッキリ出来ない

2015年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

程々には楽しめましたが、どこかモヤモヤ感の残る映画でもありました。
途中で一体これ何が主軸の映画だっけ?と思ったぐらい、詰め込みすぎ感が半端じゃなかったです。
一応メインは巻き込まれ型サスペンス(復讐劇?)なんでしょうが、メインの印象薄すぎでしょ・・・。
良くも悪くも印象に残ったのは孤独な殺し屋同士のバイオレンス描写、まあ殺し屋も巻き込まれ型サスペンスのパーツではありましたが、殺し屋の話の方が色濃く脳裏に焼き付いてしまい、結局何を描きたかった映画なのかよく分からなくなってしまいました。

勿論、変に期待して見なければ十分楽しめたとは思いますが、どうしても伊坂幸太郎原作映画だと、ハードルが上がっちゃいますからねぇ。
今回はおなじみの中村義洋監督じゃなく瀧本智行監督作と言うことで、一体どう言うテイストに仕上がったのか、尚更興味深かった面があったので、余計に見終わった後の普通感は半端じゃなかったですね。

伊坂原作作品「ゴールデンスランバー」のような巻き込まれ型テイストあり、瀧本作品の「脳男」のようなバイオレンステイストもありと、本来ならこのコラボは良い方に向かいそうなものなんですが、それぞれのいいとこ取りはしたものの構成が今一つで、1つの映画なのに中途半端な2つの映画が存在してしまった印象を受けてしまいました。

と、まあやや辛口な感想にはなってしまいましたが、浅野忠信、山田涼介が演じた殺し屋の話は見応えありましたし、自殺屋とか押し屋とか殺し屋の変り種もアイデアは面白かったし、チョイ役かと思った佐津川愛美が演じたギャルの意外性や波瑠の天使ぶりにも癒されたり、パーツパーツでは満足した部分もあって、普通には楽しめました(良くも悪くもね)。
しかし最後の種明かしを聞くと、ちょっと偶然に頼りすぎだったような・・・やっぱりいろいろと描写不足だったんでしょうね。

スペランカー