「傑作」シークレット・ミッション ヨロヨロヨロヨさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作
心に余韻を残す見応えのある良い作品で、みて良かったと思う。北朝鮮の若きエリート工作員が南に潜伏し、その中で自らの使命を遂行する事になるが、街で暮らすうちに、自分を取り巻く人間達の温かさに触れ、改めて知る人生で一番大切なものと、北で培われたアイデンティティーの狭間で葛藤する姿を描いている。キム・スヒョン演じる主人公リュファンやパク・ギウン扮するヘラン、イ・ヒョヌによるヘジンなど、まさに人生がこれからの若い工作員のそれぞれの純情が、南の自由の空気の中で、揺れ動き、心で葛藤していく様子を笑いありに表現し、だからこそ、最後にそれぞれの選んだ選択が、終盤、悲しく切なく胸に迫りくる内容となっている。役の振り幅が大きいが、俳優陣の演技力に支えられ、そのギャップも見応えがあり、ストーリーを支えている。アクションの取り入れ方もうまく、迫力がある。南北分断を背景にしているので、一見重いかと思われるが、そうではない。純粋で若い主人公達が見せる心の模様の中に人生や仲間、家族への愛情があり、悲しみの中に、一筋の光となって、作品に輝きをもたらしている。秀逸な作品である。
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