「文章が映像に勝つ。」エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
文章が映像に勝つ。
これは難しい題材に手を出したものだ。
加藤正人脚本、平山秀幸監督の手に余ったとしか思えない出来であった。
原作と映画を比べる、ということはよくやることだが、たいていの場合、原作のほうがいい。これは平等に比べていいかどうかではなく、原作ありきだからだと思う。
原作ものでも名作たりえるものは数多くあるが、僕がそう思っているものは、映画を先に観たか、原作を読んでいないか、である。
だが、本作はそういうことではない気がする。
映像が文章に、純粋に負けた気がしたのだ。
夢枕獏の原作にみなぎる山への執念みたいなものは、エヴェレストに、誰が最初に登頂したかということから始まって、羽生が誰もやったことのないルートを選ぶことで、「最初」がやはり強調される。
山に興味のないものにまで物語を読ませる夢枕獏の筆力に、この映画を観て、あらためて感服した。
エヴェレストはあんな薄っぺらではないはずだ。
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