劇場公開日 2015年6月27日

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「なかなかの出来。食わず嫌いをせずにとにかく、観ましょう。」きみはいい子 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なかなかの出来。食わず嫌いをせずにとにかく、観ましょう。

2015年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

 前回の「そこのみにて光輝く」があまりに陰惨な内容で、観終わった後、疲労感しか残らなかったので、今回もまた救いようのない内容なのかと思っていたら、高評価のレヴューが多数あったので、観てみました。
 途中、高良健吾が学級崩壊ともいえる状況に右往左往したり、認知症のおばさんや障害を抱えている小学生が登場する場面では、ああ、まるで露悪趣味満載の韓国映画みたいだな、と苦笑していました。潮目が変わったのは、池脇千鶴が尾野真千子を抱きしめながら自分の過去を語る場面以降です。隣の中高年の夫婦はもう、泣きじゃくっていました。そして、最後、緊張感が最高潮に達して、これから、一体、どっちに転ぶのだろう、と、好奇心が限界にまで膨れ上がった、その瞬間、画面は暗転して、エンドクレジットへ・・・。これ、何? と思いましたが、映画館から出た後、なるほど、と思いました。「これは、新機軸なのだ」という考えに帰着したのです。私にとって大きな収穫でした。
今後、こういう終わり方を踏襲した映画が製作されていくでしょう。☆4個なのは、学級崩壊の場面がやや、紋切りだったからです。前作でゲンナリした人も、騙されたと思って、一度、観てみてください。この女性監督の成長の跡がはっきりと判る筈です。

bashiba