「軽くディスられた日本。」ベイマックス 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
軽くディスられた日本。
おはようございます。
「ベイマックス」見ました。
よく出来てます。イメージしていたお話とは180度違うお話でしだが、いい意味で裏切られたと言うか、ディズニーもこーゆー作風あるんだなと思いました。
これはビックリしたんだけど、まず話がスーパーヒーロー物である点。宣伝を見る限りはヒューマンドラマに近い話と思っていたが、実際はアクション色が非常に強い。宣伝の伝え方が良いか悪いか判断しかねるが、いろんな意味でサプライズなお話。あとは、細かな笑いが多い点。ディズニーだと「アナと雪の女王」なんかの一発芸的で全然笑えなくて冷める笑いとは違って、畳み掛ける笑い、漫才のように計算されていると感じた。それをしつこいと感じる人もいると思うけど、よく捻られてるかと。実際、大笑いしてる人がかなり多かった。
しかし、全体として手放しで称賛したい出来ではなく、明らかに何処かで見たような描写、特に実写スーパーヒーロー物の丸パクリとも取られかねない描写が多い。言うならば、子供版の「キックアス」+「ファンタスティック・フォー」+「Vフォーヴェンデッタ」+「X-MEN FIRST CLASS」+「アイアンマン」+「アベンジャーズ」。特に終盤のバトルは完全に「ファンタスティック・フォー」だし、序盤から中盤にかけては「X-MEN FIRST CLASS」まんまだと感じる。あとは、ディズニーアニメお得意だけど、主人公が呆気なく心変わりする。ベイマックスの説得で主人公は悪の道に進まずに済むわけだけど、ベイマックスと主人公の絆や信頼関係が深く描かれてないから、唐突にしか感じられない。最近こーゆー映画は多いけど、もう少し丁寧に描いて欲しい。
これは誰もが引っかかる所だと思うけど、舞台となってる街は一体どこなの?最初の空撮風映像だと完全にアメリカなんだけど、よく見ると漢字の看板があるし、路面電車が走ってる。昼間の場面では山手線そのままの電車が走ってる。舞台の説明がそれるのは結構時間が経ってからってのも問題だけど、街の名前がサンフランソウキョウってのはどう考えても無し。とても悪趣味だし、JAPANリスペクトか知らないが、どうしても引っかかる。日本で生活してるけど、大学入学をきっかけにサンフランシスコに移り住むみたいな設定でも、日本人として十分嬉しいと思うよ笑。
あとはあの、グータッチみたいなのをしてバラバラバラみたいなヤツ。皆さん笑ってらしたが、僕には意味が分からなかった。伊右衛門のCMで本木雅弘がバラバラと茶葉を散らしている
のがあるが、それに対するオマージュか?誰か教えて!
本編前の短編は良かった。アナ雪の短編は、こちらに考える余地を与えないくらいくだらなくて、退屈だった。今回はシンプルだけどスタイリッシュで、とにかくテンポがいい。パラパラっと場面が変わっていく様が爽快だし、それが推進力として引き込まれる。オチもディズニーらしく幸せな気分にさせられるし、本編前の掴みとしては成功かと。尤も、必ずしも必要だとは思わない。ディズニーお約束なんだろうけど。
とにかく、自分はアニメが大嫌いだから気になる点が大量だっと。楽しい映画なんだろうけど、笑っている観客に子供〜高校生が多かったのを考えるとやっぱり子供向けだと思った。吹替え版しかやってないのも、何か違う気がする。