劇場公開日 2014年9月13日

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「哀愁は漂っていたか・・・・?」サスペクト 哀しき容疑者 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0哀愁は漂っていたか・・・・?

2021年1月8日
PCから投稿

南北朝鮮分断で生まれた悲劇は優れた映画を生むきっかけ・・・・悲しくてやりきれないことではあるけれど、芸術を生む原点には哀しみが潜んでいる。それはジメジメとした地下室の一室に閉じ込められた兵士のようだ。韓国映画サスペンスアクションの醍醐味を遺憾なく発揮しつくした映画だった。主役のコン・ユの大きな瞳から放たれる光は冷酷さに欠けるが悲哀を表すには彼の右にでる者はいないだろう。復讐劇で伝わって来るものは虚しさしかない。しかし、スペインの空のような輝く未来など望みはしないが、山間の雲の隙間から漏れ出す太陽の光ぐらいの希望を感じさせるラストシーンはきっとくだらない人生を送ってきた者にとって、少しだけ気を楽にさせてくれる。

はる