「シアーシャ・ローナンなら生きていける、かも」わたしは生きていける スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
シアーシャ・ローナンなら生きていける、かも
第三次世界大戦が勃発した終末的世界の中で生き抜こうとする少女のサバイバルストーリーだと思って鑑賞したので、最初は全く予想外の作風に少々戸惑いながら見ていましたが、終わってみれば前半の青春映画的部分の方が見応えあって、ホントそこは思わず引き込まれてしまいましたね。
何に対しても反抗的なパンク少女デイジーが、従兄妹の住むイギリスの田舎町で底抜けに明るい従兄妹達と交流していくうちに少しづつ心が解れていき、やがて恋も知り、険しかった表情が優しい表情に変わっていく様子は、とても丁寧に描かれていたこともあって、見ているこちらの心もほっこりしてしまいました。
親に愛されているのかどうか微妙な境遇にいるデイジーや従兄妹達だったからこそ、子供達だけで築くちょっとした一時の楽園のような世界がとてもまぶしくて、物凄く魅力的に映りました。
だからこそ、その後の一変した世界がまた何とも、心締め付けられると言うか何と言うかね・・・。
ただ後半、テロだか戦争だかよく分からない何かが起こってからの展開は、かなり雑と言うか、説明不足と言うか、展開急と言うか、詰め込み過ぎと言うか、意味不明なシーンも多々あったりで、前半の丁寧さとは真逆になってしまった感じで、ちょっと勿体無かった印象ですね。
まあ戦争なんて、当事者は全く意味不明な世界に放り出されたような感じでしょうから、ある意味リアルなのかもしれませんが。
しかし主役のシアーシャ・ローナンは本当に魅力的、シアーシャ鑑賞映画としては、これ以上ない映画と言えるでしょう。
恋人との間でだけたまに見せる笑顔が素敵過ぎる!
愛があればとは言え、最後はそんなうまいこといくか?な展開にやや拍子抜けも、シアーシャの演技は十二分に堪能できたので、そこは大目に見ましょうか・・・。
それと年齢考えるとデイジーもさることながらパイパーちゃんの頑張りも胸を打ちましたね。