「そして姉妹になる」海街diary ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
そして姉妹になる
吉田秋生の原作が好きで、是枝監督が実写映画化すると聞いた時はそりゃあ小躍りしましたね。嬉しくて。こりゃ間違いないだろうと。期待を裏切らないだろうと。だから絶対観に行こうと。決めていたんですね。で、観に行って参りました。
いっやあ素晴らしかったです。もう一度言っておきますね。いっやあ素晴らしかったです。
原作の持ってる雰囲気をしっとりとね、しかもこんな軽やかに再現できるものなのかと。
いやなんでしょうね、この空気感ね。
原作を超えてるかもしれないという。んー、んー。あ、映像と漫画じゃ媒体違ってるし、目に映るもの、与える印象が変わるのは当然ちゃ当然ですね……う~ん、原作超えとはまた違うかな。「是枝裕和フィルターで通した海街diary」とでも表現すればいいのか。
ま兎に角、心地が良すぎましたね。ずうっと観ていられるというか。
あの、なんていうのかな。「映像美」とか「ゆったり流れる景色」とか「市井の人々」とか「大自然」とかね。そういう系統の映画だったらば、これより素晴らしい作品は一杯あるんですよ、別に。
でも、そこの要素は必要ではあるんですけども、要するに、この映画を唯一無二にしてるのは、あの四姉妹なんです。あのキャスティング。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。この四人が集まったのはもう奇跡です。この瞬間、この時代でしか集えなかったんじゃないのかな、てぐらいにカッチリとはまってる。奇跡中の奇跡。目の保養、ていうと少しイヤらしいのかもしれないけども。スクリーンに映るのは美女ばかりな訳でしょ。しかもキャラクターとしてちゃんと動いてる。アイドル映画でもない。そして物語は現実的で辛辣で。なのに流れる場面はゆったりと心が落ち着く。
この映画、ラストは四姉妹の後ろ姿で幕を閉じるんですけども、実は自分、そこまでは笑顔で観てたんですね。だけど鑑賞後、劇場を後にした途端に涙が突然流れて止らなくなったんです。
これ、何なんだろうと。
深い部分で、何か胸に突き刺さってんだろうなぁと思って。
そういう体験が出来る映画なんです。
またひとつ、宝物になったなあ。