「冒頭はCMのような…」海街diary ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭はCMのような…
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絵に書いたような美人四姉妹の幸せな暮らしを描く。育児放棄、貧困などあらゆる社会課題を時にはエグいほど描き、家族のあり方を投げ掛ける是枝作品には珍しい静かな展開。しかし、単なる四姉妹ではなく、異母姉妹。父親が不倫したせいで、母親も出ていき、生活が一変した三姉妹。その不倫相手の子である四女。互いに様々な思い、我慢してきた思いがあるはず。普通では考えられない共同生活だが、子供に罪はなく、四姉妹の純粋さ、素直さによって穏やかに描かれている。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずという出演陣あっての醸し出せる雰囲気だと思う。また脇を固めるのも、風吹ジュン、リリー・フランキー、樹木希林、大竹しのぶ、堤真一では完璧。それぞれ四姉妹の恋、仕事、学生生活など絡み合い、うまく進行していく。三女に焦点をあまり当てないが、彼女がいるからこそ、姉妹のバランスが取れている。いや、誰一人欠けてもならないと感じさせる。人間関係も梅酒と一緒で年月を経て、味わい深いものになっていくんだろうなぁ、この先も四人の暮らしも見たいと思わせる終わり方だった。これまでの是枝作品のように、胸にズシンとくるものはなかったが、こういうのもありだと思わせる映画だった。やはりこの出演陣あってのものだと思う。
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