劇場公開日 2015年2月28日

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「底抜けの明るさに鼓舞され、没頭する姿に物羨み、何より食欲が煽られる作品。」シェフ 三ツ星フードトラック始めました Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5底抜けの明るさに鼓舞され、没頭する姿に物羨み、何より食欲が煽られる作品。

2015年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

特筆すべきは美味そうな料理の数々。
画面越しの料理が実に美味しそう。
脳内味覚を刺激する色彩、組合せ、そして音。
特に料理時の音は堪らなく食欲を刺激する。
脂が熱で爆ぜる音、その魅惑的な音の効果的な使い方に誠意を感じました。
料理を題材とした作品で料理が美味そう。
それだけで本作を鑑賞する価値は十二分にあると思います。

また作品全体が底抜けに明るい。
カールの軽率な行動が招く騒動は傍から見れば大惨事。
しかし全てを失った彼は落ち込まない。
いや一応落ち込みはするけど必要以上には落ち込まない。
陽気な音楽が流れ、好きな料理に打ち込み、人々に喜ばれる。
世間一般的には悲惨な都落ちだがカールの姿に過度な悲壮感は無く。
好きな料理を好きなように作れて、そして人々に喜ばれる。
その底抜けに明るい雰囲気は考え過ぎる自分を鼓舞し。
同時に没頭出来る何かを持つカールに軽い嫉妬を覚える。
楽しい。けど楽しいだけでは無い作りになっていました。

惜しむらくは物語の展開。
もう二転がり位するかと思いきや。
或る程度の所からは軟着陸態勢へ。
楽しい場面が続く一方で。
一種の物足りなさを感じたのも確かでした。

底抜けの明るさに鼓舞され、没頭する姿に物羨み、何より食欲が煽られる本作。

製作・監督・脚本・主演の4役を務めるジョン・ファブロー。
彼のキャリアを踏まえて観ると更に楽しめる作品に。
比較的低予算作品にも関わらずアノ社長も、アノ女スパイも、アノ大物も出ている。
その点でジョン・ファブロー自身の人柄が滲み出ている作品と言えます。

上映時間115分を安心して楽しみたい方。
オススメです。

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Opportunity Cost