「父が息子との関係を修復する物語」シェフ 三ツ星フードトラック始めました Fさんの映画レビュー(感想・評価)
父が息子との関係を修復する物語
◆物語
一流レストランでシェフをしているカールキャスパーはレストランのオーナーと方向性の違いにより衝突、店に訪れたグルメブロガーとのケンカも引き金となり店を去ってしまう。カールは仕事一筋でやってきた為、これまで息子にかまってやれる事もなく、奥さんとは離婚中でした。仕事もプライベートも上手くいってない中、フードトラックでの移動販売で再起を図ります!
◆感動ポイント①
カールの料理人としての再起物語もありますが、カールがダメな父親から、息子と関係を修復し良き父親に成長する物語でもありました。
精神科医樺沢紫苑先生の著書『父滅の刃』に書いてありましたが、子供との関係修復に大切な4つの要素。
1)きちんと子供と対峙する。
2)子供との共同作業、「苦しい」も「楽しい」も共有する。
3)自分が一生懸命、頑張っている所を子供に見せる。
4)子供と出来るだけたくさんの時間を過ごす。
これら全て含まれていました。(改めて凄い本だなと思いましたね・・・。)
◆感動ポイント②
私は映画を観る時に登場人物がどのような性格なのか、登場人物が父親や、母親からどのような影響を受けているか?に着目して映画を観ています。
映画の序盤ではカールは良き父ではありませんでした。仕事ばかりで、息子をかまってやりません。遊びに行く約束も仕事を理由に破ってしまうし、たまの休みに遊園地や映画館に行っても仕事の事を考えているようできちんと息子と向き合っていません。
ある日、息子からTwitterの使い方を教えてもらいます。カールは何気ない動機ですが子供は嬉しそうです。
息子「話したり教えてたり出来る」だから嬉しいと言います。
子供にとっては仕事で上の空状態の父とどこかへ遊びに出かけるよりも向き合ってコミュニケーションを図る方が何倍も嬉しいんですね。
◆感動ポイント③
カールは古びたフードトラックを買い取り、料理人として再起をかけます。夏休み中の息子と市場に出かけ食材選びのいろはを教えたり、調理方法を教えながらフードトラックで各地を巡ります。今度は父親が子供に教える番です。
機材搬入を手伝ってくれた人たちにサンドイッチを振舞います。息子も手伝いますがパンを焦がしてしまいます。カール(父)は息子に取り換えるように指示しますが息子は「どうせタダで配るものだ」と返事します。
ここでカールは父親として、料理人として息子に規範を示します。
カール「俺は良い夫でも良い父親でもない、だが料理は上手い。
それを伝えたいんだ。
お客さんが笑顔になるとパパは元気になる
お前もそのはずだ。」
規律、規範を示し、料理人としてのビジョンを示します。
そして息子は答えます。
「はい、シェフ」
父親が真剣に叱る姿に、こんな料理人になりたい!とそのビジョンに共感したのでしょう。たった一言のセリフですが感動しました。
◆感動ポイント④
そしてこの映画!美味しそうな料理が次々と出てくる!美味そう!食べたい!腹が減る!