「わざと? 劇中評論通りの映画」シェフ 三ツ星フードトラック始めました ヨロレイヒさんの映画レビュー(感想・評価)
わざと? 劇中評論通りの映画
高級レストランのチーフシェフ、カール。彼は創意工夫に満ちた料理を精力的に産み出す食通も認める一流。しかし本意でない無難な料理を高名フードブロガーに出してしまったことからSNSで酷評され、転落。しかし元妻の勧めでフードトラックをしてみることになり……
クソつまらん映画です。※
当初カールは創意工夫に満ちた料理を作りたがってたはずなのに、フードトラックで出すのは何故か真逆とも言える「伝統の味」キューバサンド。
妻は何故フードトラックが向いてると言ってたか不明だし、妻の知り合いは皆唐突に紹介されるし、どんな人生や経験を経たかを皆口で説明するだけだし、息子とはどこかで腐るほど見た『嫌われてはいないけどなんやかんやで上手く行ってない親子関係』、フードトラックは都合よくタダで手に入るし、友人シェフは地位を捨てて都合よくフードトラックを手伝ってくれるし、何がいいかの説明も演出もろくにないキューバサンドが飛ぶように売れていく。もちろん最後は息子と関係改善できるし、元妻はずっと協力的だし、なんなら酷評したフードブロガーがカールのために出資してくれて、カールは好きな料理を文句一つ言われず作れる自分の店のシェフになる。めでたしめでたし。スタッフロール最後にはキューバサンドの作り方を教えてもらえるおまけ付き!
……これ、面白いでしょうか?
料理とSNS意外特に特徴付けのない都合のよいキャラ達、不自然なまでの上手く行きっぷり、使い古された家族像や自己実現によるハッピーエンド。途中で見るのを止めようか何度悩んだか。
※けどこの感想、実は物語序盤でフードブロガーが酷評した内容と不思議なほど似ています。要約するなら「もっと創意工夫を期待していたのにつまらん物出しやがって! 特に最後のクソみたいなのはなんだ!!」でしょうか。
他にも、「玉子にキャビアを沢山乗せるのは値段を上げたいだけで腕に自信がない証拠」……これ、「キャストを豪華にしたりロケ地を豪勢に転々とすること」の揶揄かな?と思ったり。
もしかして、このつまんなさはわざとやってるのでは?と思わされる部分もあるわけです。
つまんない脚本つまんない演出の映画をやって、わざと劇中で似たような作りの料理を酷評する。そうだとしたら、非常に回りくどい高等なギャグではないかとも思うのです。
ただ、そうだとしても分かりにくく、途中で見るのを止めたくなるほどつまらないので★2としました。